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2007年11月28日(水) 22時26分

<年金問題>納付記録原簿の半数、不明 社保庁調査で判明毎日新聞

 年金記録漏れ問題で、社会保険庁が昨年と今年、厚生年金の納付記録を照会するために業者に依頼して倉庫に保管された記録原簿の紙台帳を探したところ、2746件のうち半数の1373件が発見できなかったことが分かった。社保庁は紙台帳約1365万件について「すべて保管している」と説明してきたが、一部が不明になっている可能性がある。宙に浮いた5000万件の統合に影響する恐れもあり、社保庁は保管状況を調べている。

 21日の衆院厚生労働委員会などで保坂展人議員(社民)が指摘した。

 社保庁は、1957年現在の厚生年金加入者の納付記録約1365万件については、マイクロフィルムには転写せずオンライン化し、紙台帳を埼玉県内の業者の倉庫に保管している。各地の社保事務所がオンラインだけで記録を確かめられない場合、業者に依頼し紙台帳を探してもらう。

 社保庁の資料によると、社保事務所からの紙台帳照会は、06年度は996件中547件が見つからず、今年度上半期も1750件中826件は発見できず、この間、半数が照会できなかった。

 28日の委員会で保坂氏が「紛失が分かる仕組みはないのか」と質問。社保庁の坂野泰治長官は「一件一件(紛失を)検証する仕組みはない」と答え、紛失状況を把握していないことを認めた。また保管総数も把握できていないことを認めた。

 社保庁は「照会した記録が、農林漁業共済年金に移ったものなど1365万件に含まれていない場合もある。紙台帳が探せなくても、社保事務所の被保険者名簿を調べるなどで記録は確かめられる」と説明している。【野倉恵】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071128-00000133-mai-pol