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2007年11月27日(火) 14時45分

ひろゆきvs切込隊長裁判 判決は2月18日オーマイニュース

 巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」での書き込み内容が名誉毀損にあたるとして、会社役員で、ハンドルネーム「切込隊長」として知られている山本一郎氏(34)が、2ちゃんねるの管理人で、「ひろゆき」こと西村博之氏(31)に損害賠償等を求めている訴訟(山崎勉裁判長)の第7回口頭弁論が11月26日、東京地裁で開かれた。西村氏が欠席し、特に「反論の準備書面も出ていない」ために、結審した。判決は2月18日午後1時30分から。

 26日午前10時30分すぎに開かれた法廷には、山本氏の代理人・小倉秀夫弁護士は出廷したが、西村氏は現れなかった。そのため、山崎裁判長は、「反論の準備書面もない」として、「今日、結審します」と述べた。

 この裁判で山本氏側は、(1)山本氏に関する2ちゃんねるの「投資一般」板の書き込みの内容が名誉毀損にあたる、(2)名誉毀損にあたる書き込みを削除して欲しい、(3)今後、「山本一郎」や「切込隊長」などとあるスレッドを立てないで欲しい──と求めている。

 これに対して、西村氏は、(1)訴状の郵便が届くまでは書き込みの内容を知らず権利侵害を知り得ない、(2)訴状が届いた後は、一連の書き込みを削除した──などとして、訴えを認めていない。西村氏は代理人を立ててこなかった。

 西村氏は第2回口頭弁論(3月19日)で、山崎裁判長に「『投資一般板』の削除人は誰か」と問われ、「300人のボランティアスタッフがいますが、(ある特定の削除人が)どこかの板を担当しているということはない。もちろん、(スタッフを)認定するのは僕ですが」と答えている。

 第5回の口頭弁論(9月3日)では証人尋問が行われ、山本氏と西村氏が直接対決した。西村氏は各板の方針について「僕が決めている」と話し、削除基準については、「面白いかどうか」であり、「誹謗中傷かどうかは別問題」と話した。

 一般的に名誉毀損のような書き込みは削除すべきではないか、との質問に西村氏は、「僕が決めることではない」。名誉毀損かどうか通常人の判断基準は持っていないのか? と聞かれた際は、「(西村氏について「禿げ」と書く)山本さんと同程度だと思う」と語った。

 「裁判には出ない」とされている西村氏が同訴訟では出廷し、一部の注目を集めた。それに関して、西村氏は第1回口頭弁論(1月29日)の後、「基本的には(裁判には)出ないのですが、今回は知り合いなので、面白いかなと思ったんです。原告がどんな顔をしてくるのか知りたかった」と述べていた。

 「2ちゃんねる閉鎖」や「ドメイン差し押さえ」などの報道があり、またかつての“盟友”と呼ばれた2人の対決だけあって、注目を集めた裁判だった。当初は傍聴券交付の抽選が行われた(いずれも定員内で抽選はせず)。しかし、傍聴人は減り続け、次第に抽選が行われることがなくなった。

 そして、この日の傍聴人は6人だった。

 小倉弁護士は、「勝つことを目的にするのなら、発信者情報の開示請求をして(書き込み者を特定して)から、スレッドの削除を要求するのが筋。しかしそれでは、本質的な解決にならない」と振り返った。また、「西村氏も正しいと思っているのなら、もう少しちゃんと(法廷で)やるべき」と話していた。

(記者:渋井 哲也)

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