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2007年11月27日(火) 21時39分

祖母の義理の弟を逮捕 香川・坂出3人不明事件朝日新聞

 香川県坂出市でパート従業員の三浦啓子さん(58)と孫の山下茜(あかね)ちゃん(5)、彩菜(あやな)ちゃん(3)姉妹が行方不明になっている事件で、県警の坂出署捜査本部は27日夜、三浦さんら3人の遺体を県内の山に捨てたとして、三浦さんの義弟で無職、川崎政則容疑者(61)=高松市国分寺町国分=を死体遺棄容疑で逮捕した。殺人容疑でも調べる。3人が多量の血痕を残して失跡して12日目。事件は解決に向け、急展開した。

集まった報道陣に対応する香川県警の報道官=27日午後6時26分、香川県坂出市で

 調べによると、川崎容疑者は15日午後6時から16日午前7時50分にかけて、坂出市林田町の三浦さん宅から、3人の遺体を自分の車に積み込んで遺棄した疑い。捜査本部が27日、任意で事情を聴いたところ、「3人を殺害して山に捨てた」と供述したという。

 川崎容疑者は、三浦さんとの間に金銭トラブルを抱えていたという。三浦さん宅に押し入った形跡がなく、悲鳴などを聞いた人もいないことから、捜査本部は、三浦さんと面識のある人物が事件に関与した疑いもあるとみて、交友関係を中心に捜査を進めたところ、川崎容疑者が浮上。任意で詳しい事情を聴いていた。

 関係者によると、川崎容疑者は、がんで闘病生活を送っていた妻の名義で、妻の実姉の三浦さんが借金をしていたことに不満を抱いており、それが原因で夫婦仲が悪くなっていった。川崎容疑者は日ごろから「自分勝手だ」として、三浦さんとのつき合いをやめるよう、妻に言っていたという。妻は今年4月に亡くなった。

 これまでの調べでは、16日午前7時50分ごろ、三浦さん宅に泊まっていた姉妹を迎えに行った母佐智子さん(34)が、3人の姿が見えないのに気づいた。和室の床には多量の血痕が残り、玄関先に止めてあった三浦さんの自転車と携帯電話、靴がなくなっていた。姉妹の父清さん(43)の証言などから、トラブルが起きたのは同日午前1〜5時とみられる。

 県警は当初、三浦さんが自転車で外出した可能性があるとみていたが、室内の血痕が3人のDNA型と一致したことから、何者かに危害を加えられた後、連れ去られた疑いが強いと判断。犯人が室内の血痕をふき取るなどの証拠隠滅を図る一方、三浦さんの外出を装って自転車などを持ち去った可能性があるとして捜査していた。

http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY200711270310.html