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2007年11月26日(月) 00時34分

「少年審判への被害者参加」を議論、都内で大会とシンポ読売新聞

 犯罪被害者週間が始まった25日、犯罪被害者のグループが東京都内で大会やシンポジウムを開き、少年審判のあり方などについて意見を述べ合った。

 「全国犯罪被害者の会」は、「新しい刑事司法と少年法を考える」と題して大会を開き、少年審判にも被害者らが傍聴できるよう求めることなどを決議した。

 1997年の神戸連続児童殺傷事件で二男を失った土師(はせ)守さん(51)は、「加害者が成人でも少年でも甚大な被害を受けたことに変わりはない」と指摘。「少年審判は非公開で、被害者の知る権利が奪われている。真の更生に向け少年に罪を十分に認識させ、正確な事実認定のためにも、被害者や遺族の参加を認めるべきだ」と訴えた。2005年に東京都町田市で高校1年生の長女を同学年の少年に殺害された古山(こやま)君子さんは、「被害者は何一つ守ってもらえなかったのに、逆送されて刑事裁判を受けた少年は法廷でも(入退廷時に)ついたてで覆われた」と述べた。

 大会には但木敬一・検事総長も出席、「裁判員制度などで刑事裁判は革命的に変わるが、新制度を生かすには検察官と被害者のコミュニケーションや信頼関係が重要になる」と話した。

 一方、「被害者と司法を考える会」も、「少年審判への被害者参加を問う」をテーマにシンポジウムを開催、少年審判で被害者が傍聴したり、少年に質問したりする制度の導入に慎重な大学教授らが意見を述べた。小学2年生の息子をダンプカーにはねられてなくした同会代表の片山徒有(ただあり)さん(51)は、「被害者が審判廷に立って少年と向き合えば、どうしても制裁措置を期待する。少年保護という少年法の考え方とは相いれない制度が生まれてしまう」と強調した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071125i114.htm