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2007年11月26日(月) 10時03分

入院患者射殺 容疑の男逮捕へ 職質され発砲毎日新聞

 福岡県警は25日未明、福岡県大野城市内で職務質問した捜査員に拳銃を発砲した男を銃刀法違反(所持)容疑で現行犯逮捕した。男は、8日に佐賀県武雄市の病院で入院患者の男性を射殺したとして、佐賀県警が殺人容疑で逮捕状を取っていた指定暴力団道仁会系の暴力団幹部を自称する今田文雄容疑者(61)=福岡市城南区東油山=と分かった。福岡、佐賀両県警は、今田容疑者が対立する暴力団九州誠道会の関係者と間違えて男性を射殺した可能性が高いとみて追及する。
 道仁会と九州誠道会との抗争事件は昨年5月以降相次いでおり、今月24日にも福岡県大牟田市の病院前で誠道会系の組幹部が射殺される事件が起きている。
 25日午前0時50分ごろ、大野城市内で、福岡県警の自動車警ら隊の捜査員がパトカーを見てUターンするなど不審な白いクラウンに乗った男女を見つけ職務質問をしたところ、男が拳銃1発を空に向けて発砲。捜査員がその場で男を取り押さえた。男は、武雄市の医院で起きた宮元洋さん(34)射殺事件で佐賀県警が行方を追っていた今田容疑者で、福岡県警は一緒にいた福岡市博多区の無職、鳥井敏子容疑者(44)も覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕した。
 今田容疑者は発砲に使ったのは回転式拳銃で、上着の内ポケットに別の回転式拳銃1丁を隠し持ち、実弾も二十数発所持していた。宮元さんを射殺した際に使ったのもS&W社の回転式拳銃とみられている。
 宮元さんの射殺事件で佐賀県警は防犯カメラに映っていた男の映像を公開、「今田容疑者と似ている」との情報が県警に寄せられるなどしたため、事件に関与した疑いが強いとみて逮捕状を取り、行方を追っていた。同事件でも、今回逮捕された時と同じクラウンが使われ、女が同行していたといい、鳥井容疑者の可能性もある。宮元さんが入院していた病室には、以前九州誠道会系の暴力団関係者が入院していた。
 調べに対し、今田容疑者は「拳銃と実弾は自分のものに間違いない。ある人から譲り受けた」と供述。鳥井容疑者は「(覚せい剤は)私のものではない」と容疑を否認している。また、今田容疑者も白い粉を持っていたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071126-00000001-maip-soci