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2007年11月25日(日) 10時00分

あの人は今こうしている 宇津宮雅代(「雪華葬刺し」以来25年ぶりの映画出演)日刊ゲンダイ

 高林陽一監督の映画「雪華葬刺し」(1982年)でヒロインを演じ、真っ白い背中に描かれた色鮮やかな刺青をさらすシーンが印象に残っている。宇津宮雅代さんだ。テレビや舞台でも活躍した宇津宮さん、今どうしているのか。

「先週の土曜日にロードショー公開された映画に出てるのよ。映画は『雪華葬刺し』以来だから、え〜と、25年ぶりになるのかな。2000年に女優に戻って以来、年に10本ぐらいのペースでテレビドラマに出てたでしょ。だから、あんまり久しぶりって感じはしなかったけど、計算してみると、映画は四半世紀のブランクがあったのね」
 7年前に女優に復帰して、さらに映画に!? 
 取材場所が東銀座にある映画配給会社と知らされたとき、「ハテ?」と思ったのだが、宇津宮さん、「あの人は今バリバリだった」のだ。
「ハハハ、いいじゃない、そんなこと。それよりも映画の話よ。『呉清源 極みの棋譜』ってタイトルでわかる通り、“囲碁の神様”と呼ばれる中国人の天才棋士、呉清源さんの半生を描いてるの。監督は田壮壮さん、呉さんを演じるのがチャン・チェンと、要するに日中合作映画ね。監督は静謐(せいひつ)な姿勢の中に映画製作にかける高揚感を漂わせた方で、チャン・チェンは心に秘めた熱い気持ちを表現できる素晴らしい俳優でしょ。そんな2人が組んだんだもの。心に染み渡るような物語に仕上がってるわよ」
 宇津宮さんは呉さんが一時信仰した璽光尊(じこうそん)のかつての信者を演じているそうだ。
 さて、69年、20歳のとき、山田太一脚本の「パンとあこがれ」(TBS)のヒロインに抜擢されて注目された宇津宮さんはその後、映画、舞台、テレビで活躍。また、私生活では73年に西岡徳美(現・徳馬)、78年に三浦洋一と2度の結婚、離婚を経験した。

●85年から97年まで2人の娘とイギリスで生活
「2人との間に1人ずつ女の子ができてね。仕事しながら子育てはできないから、83年に女優をやめ、85年からはロンドンで生活するようになったの。イギリスには97年までいたわ。その間の生活費? ハイ、両親には大変お世話になりました」
 女優カムバックは2000年に三浦さんがまだ46歳、食道がんで亡くなったのがきっかけだったという。
「その前から自分を表現するのは、やっぱり女優しかないって気持ちはあったのよ。ただ、別れた夫が2人とも現役だったじゃない。それに対する遠慮みたいなものがあったわけ。それが三浦さんが亡くなってバラを1本手向けたとき、彼の“またやれば”って声を聞いたような気がして、復帰する決心がついたの」
 長女はすでに結婚、二女はイギリスで大学に通っている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071125-00000006-gen-ent