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2007年11月25日(日) 10時00分

浜崎あゆみを走らせるエイベックスは混迷中日刊ゲンダイ

 エイベックスが苦肉の策に打って出た。約4カ月半ぶりの浜崎あゆみ(29)の新曲をCDでは販売せず、配信限定にする。あゆにとっては初の試みだ。この戦略、画期的に見えるが、エイベックスにとってはギリギリの戦略のようだ。
「かつての浜崎はCDをリリースすればミリオンが当たり前でしたが、最近は返品率が高まっているそうです。さすがの“歌姫”も“CD市場”縮小の流れにあらがうのは難しいのでしょう。しかも、配信ならコストを削減できるし、在庫リスクも回避できる。エイベックスは、人気があるうちに浜崎を担ぎ出し、CDから配信への大きな流れをつくりたいのです」(音楽ライター)
 だが、プライドの高い浜崎がこの方針にどこまで納得していることやら……。それでもエイベックスが配信限定発売に踏み切ったのは、経営不振が一因とみられている。 16日、同社は08年3月期の連結営業当期純利益の見通しを従来予想の31億円から26億円へ下方修正した。さらにクレディ・スイス証券が「映画事業の不透明感が増した」とし、投資評価を引き下げた。このことで同社の株価が急落している。
「エイベックスは映画事業を次世代の中核に据えようとしてますが、クレディ・スイスの指摘通り、先行きが懸念されています。今年3月公開の大作『蒼き狼』は興収15億円前後しか確保できず、大コケした。また、08年は三十数億円を出資した中国映画『レッド・クリフ』の公開を控えていますが、ヒットするかどうかは未知数。コケるようなことになれば、同社の経営の屋台骨が揺らぎかねません」(映画ライター)
 来月公開の出資作品「椿三十郎」は評価も高く、興行的には期待されているが、「映画がヒットしてもエイベックスが儲かるシステムになっていない」(事情通)という情報もある。
 そこでヘトヘトの浜崎を再び走らせているというわけだ。“歌姫”はいつになったら解放してもらえるのか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071125-00000001-gen-ent