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2007年11月25日(日) 22時49分

少年審判の傍聴に賛否 被害者団体、都内で会合朝日新聞

 政府の「犯罪被害者週間」が始まった25日、被害者や遺族、弁護士ら専門家でつくる二つの被害者団体が東京都内でそれぞれ会合を開いた。法制審議会で今月末から、非公開の少年審判で被害者の傍聴を認める制度の導入が議論されるのを前に、賛成と反対の立場から主張を展開した。

 「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の大会では、97年の神戸連続児童殺傷事件で次男を亡くした土師守さんが、少年審判では「蚊帳の外」に置かれたと主張した。

 「被害者として事件の背景を知りたいと思うのは至極当然のこと」。加害少年の更生のためにも、傍聴だけではなく、被害者が質問する権利も認めてほしいと訴えた。

 一方、「被害者と司法を考える会」の集会では制度への懸念を論じた。交通犯罪で息子を亡くした片山徒有さんは、傍聴の実現を「ある種の制裁を裁判所に期待する流れの中にある」と指摘。家裁調査官を務めてきた伊藤由紀夫さん(全司法労組)は「狭い審判廷で被害者と加害者が相対すれば互いに興奮してしまう。傍聴するよりも裁判官が裁量で遺族に丁寧に説明する方が真実もわかる」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY200711250153.html