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2007年11月24日(土) 12時58分

三洋、違法配当か 数十億円原資不足の可能性 04年朝日新聞

 三洋電機が過去の単体決算で不適切な会計処理をしていた問題で、04年3月期決算の配当原資が数十億円不足していた可能性があることが関係者の話で分かった。三洋は実際の体力を上回る配当を株主に支払っていたことになる。証券取引等監視委員会は課徴金納付命令勧告を出すことも視野に入れ、調査を進めている模様だ。

 この問題では今年2月、同委員会が三洋に対し、04年3月期単体決算で子会社株の損失処理を先送りしていた疑いを指摘。三洋は監査法人と協力して01年3月期〜06年3月期単体決算の自主訂正作業を進めている。

 三洋は04年3月期決算で1株あたり6円、総額111億円を株主に配当した。当期利益は43億円しかなかったが、不足分は前期からの繰り越し利益156億円などを配当原資にあてた。

 ところが、05年3月期以降に行った損失処理を01〜04年3月期の本来処理するべきだった時期に前倒しし、繰り延べ税金資産についても厳密に再計算すると、当期利益と繰り越し利益がともに大幅に目減りし、配当にあてることが出来た原資は数十億円しかなかったことが社内調査で分かった。監査法人の監査が終わり次第、12月下旬にも決算の自主訂正を行う。

 原資を上回る配当は会社法で禁じられている。

 三洋幹部は「原資不足は再計算で生じた状況。当時としては正しい判断で、違法配当にはあたらない」としている。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711230035.html