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2007年11月24日(土) 10時00分

コーヒーの“脳ミソにガツンと効く”飲み方・淹れ方日刊ゲンダイ

 コーヒーを飲むと眠気が取れ、頭がスッキリするのはカフェインの働きだが、香りにも脳をリラックスさせたり、集中力を高める作用があることがわかってきた。それも、コーヒーの豆の種類によって効果が違うという。

●香りが大脳辺縁系に作用
「コーヒーの香りは大脳辺縁系に影響を与えていると思われます」
 こう解説するのは、コーヒーの香りと脳の働きについて研究を続けている杏林大学医学部精神神経科学教室の古賀良彦教授だ。
「大脳辺縁系は情緒や記憶をコントロールしている部分で、あるにおいをかいで、ふと昔のことを思い出して懐かしい気持ちになることがあるでしょう。これは大脳辺縁系によるものです。コーヒーの香りに含まれるどんな成分が脳に作用するのかまだわかっていませんが、豆の種類、つまり香りの違いによって働き方が変わることはわかってきました」

●どの豆がどう効くか
 では、どんな豆がどういう効果を生むのだろう。
◇リラックス効果…グアテマラ、ブルーマウンテン
「実験ではこの2種類のコーヒーの香りをかいだときが、最も多くのアルファ波を測定しました。アルファ波は脳がリラックス状態にあるときに、後頭部から発せられる脳波で、深いりの豆が効果が高いようです」
◇脳活性化効果…ブラジルサントス、マンデリン
「P300という脳波は刺激を与えられてから約0.3秒後に表れ、これが多いと脳が活発に動いているということになります。ブラジルサントス、マンデリンの香りをかいだ直後に顕著な効果が見られました。逆にグアテマラやブルーマウンテンは、P300にほとんど変化は見られませんでした」

●効果によって飲み分け
 豆によってリラックス効果と脳活性化効果が違うことがわかれば、一日の中でコーヒーを飲み分けるなんてこともできそうだ。
 朝起きて目を覚まし、頭をスッキリさせたいときはブラジルサントスやマンデリン。仕事や家事の休憩時、夕食後などはグアテマラやブルーマウンテンというわけだ。
「いずれも香りを楽しみながら、ゆっくりと飲むほうが効果は上がります」

●リラックスしたいならたばこは我慢
 このコーヒーの香りの効果を台無しにしてしまうのがたばこだ。
「映画などでたばこをくゆらせながらコーヒーを飲むシーンがありますが、格好はいいけれど、リラックス効果という点からはマイナスです。たばこにはアルファ波を抑える働きがあり、せっかくコーヒーの香りでアルファ波が出かかっても止めてしまうからです。コーヒーでリラックスしたいときは、たばこは我慢したほうがいいと思います」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071124-00000011-gen-ent