福岡市南区の保健福祉センターが、申請者の身元確認をせずに国民健康保険証を再発行し、第三者にその保険証を消費者金融からの借り入れに悪用された可能性があることが分かった。同区では今後、再発防止のため申請時に身分証明書の提示を義務づけ、身元確認を徹底するとしている。
同区保険年金課によると、１０月ごろ、区内の男性から「消費者金融から身に覚えのない借金返済を求める督促状が届いた。自分の知らない保険証が使われている」との届け出を受けた。
同課によると、夏ごろ、この男性名義の保険証の再発行申請があった。窓口で申請用紙に自分の生年月日や家族構成などを書かせた上で、保険証を再発行し、男性の自宅に郵送した。
しかし男性は「再申請手続きをしていない」と話しているといい、男性とは別の人物が保険証の再発行手続きをし、男性の自宅に郵送された保険証を何らかの方法で盗んだ可能性があると同課は見ている。
同課では男性の保険証番号を変更し、再発行した保険証を無効にした。また、再発行の際の身元確認が不十分だったとして、運転免許証など本人と確認できるものの提示を求めるよう対応を改めるとしている。
http://www.asahi.com/national/update/1124/SEB200711240022.html