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2007年11月23日(金) 01時45分

深まる大阪府知事との癒着疑惑 関企懇、新たに1社受注産経新聞

 大阪府の太田房江知事が中小企業経営者らの任意団体「関西企業経営懇談会」の会合で計883万円の講師謝礼を受け取り、会員企業が府と多額の契約をしていた問題で、すでに退会した1社についても、平成16年度に府と約3億6800万円の物品購入の契約を結び、ほとんどが随意契約だったことが22日、分かった。これで明らかになった関企懇関係の企業と府の契約は21社338件、総額約36億円に上る。知事との癒着疑惑が深まっているが、知事側は「不正はない」と断言している。

 関企懇をめぐっては、会員4人が知事の政治団体「21世紀大阪がんばろう会」に30万円を寄付していたことも判明。次々と明るみに出る知事の「政治とカネ」の問題を受け、府議会では近く3選に向けて出馬表明する太田知事への批判が高まっており、各党から「推薦できるかどうか」との声も広がっている。

 今回新たに判明した1社との契約は51件。そのうち随意契約が47件を占めていた。この企業は17年3月に退会しており、府が16年度の契約状況を調査した。

 関企懇は15年に設立され、現在の会員30人のうち、府の入札参加資格がある11人のうち10社が同年から今年まで191件、総額約18億4000万円の契約を締結していたことが府の調査で判明。さらに自民党府議団が独自に調査要請したところ、退会した3社が101件約13億7000万円を受注していたことも分かっている。

 関企懇は15年4月〜今年9月、ホテルで約2時間の飲食を伴う会合を11回開き、太田知事は約30分間講演、その後会員のテーブルを回るなどして1回あたり50〜100万円の講師謝礼を受けとっていた。この事実が今月、明らかになって以降、副知事が参加していたり、一般職員が受け付け業務に携わっていたことなどが次々と表面化した。

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