薬害C型肝炎問題 原告や支援者ら200人以上が田辺三菱製薬に対して抗議のデモ行進（フジTV）
薬害C型肝炎問題で、原告や支援者ら200人以上が22日、田辺三菱製薬に対して、抗議のデモ行進を行った。一方、厚労省の対応に関する調査の中間報告があったが、舛添厚労相の発言とはかけ離れた内容となっている。ついにデモ行進という形で、田辺三菱製薬に抗議の意思を示した薬害肝炎訴訟の原告団。
薬害肝炎訴訟・原告の浅倉 美津子さんは、「悔しい。悔しいし、さらされているわけじゃないですか、歩きながら声出して。でも、こうでもしなきゃ伝わらないから、がんばります」と話した。
関係者によると、大阪高裁の和解勧告後、田辺三菱製薬は、製剤の投与時期によって責任を限定する考えを主張しているという。
こうした姿勢に危機感と怒りを募らせて、原告と弁護団はデモに踏み切った。
薬害肝炎原告団の山西美明弁護士は、「和解のヤマ場を迎えて、まったく田辺三菱の見解が見えてこない。彼らは、本当にこの責任を受け止めて、われわれと解決する気があるのかっていうのが見えないということで、これはやらざるを得ないというふうに判断しました」と話した。
これに先立ち、東京では、放置された418人のリスト問題について、舛添厚労相直属の調査チームが中間報告を行った。
厚労省の西川京子副大臣は、「わたしの聞いた範囲では、職員の方は個別にフィブリノゲン(の使用)を厚労省が告知するという意識はなかったと言っていますよね」と述べた。
今回の調査は、製薬会社から418人のリストが提出された2002年当時の局長以下、OBも含めた担当官僚40人が対象となり、2002年に限定した調査となった。
西川副大臣は「肝炎はパーッと熱が出て、下がっちゃうとその後はすぐ治っちゃうわけでしょ。その中で(当時の)お医者さまも確定的なことをわかっていないわけですよ、当時は」と述べた。
担当副大臣とは思えない、肝炎に対する知識を露呈することとなった西川副大臣。
実際に418人の中には、薬害肝炎訴訟の原告もおり、告知を受けなかったことで治療が遅れたり、急性症状が治まったあとは治ったと思い込んでいたと訴えている。
舛添厚労相は、1987年にフィブリノゲンの投与を受けた患者が、8人連続してC型肝炎に感染した問題に触れ、患者の病状調査やその当時の薬事行政についてもさかのぼって調査する考えを示していた。
10月22日、舛添厚労相は「(20年前)ご承知の青森・三沢の8件連続して出たケースがありますね。そういうケースに対して、どう対応したか、メーカーも国もやるべきことをやらなかったんじゃないか。こういう疑問が常に呈されるわけですよ。だからそこまで踏み込んで、これは洗いざらい検証する」と述べていた。
しかし、西川副大臣は「6名か7名の調査チームで、(調査が)現実にできるわけないじゃないですか、 1カ月間で」、「ある意味では、途中の大臣のご答弁から範囲が広がったということがありますので」と述べた。
舛添厚労相の発言とは違い、調査範囲を放置された418人のリスト問題にとどめるとする対応に、批判の声が上がっている。
薬害にくわしい東洋大・社会学部の片平洌彦教授は、「これはやっぱり、時期を限定することになると思いますね。この問題は、非常に長期にわたっていますし、非常に数が多いと思いますよ。だから、その全体をきちんと明らかにしなきゃいけない」と話した。
薬害HIV原告の家西 悟参院議員は、「厚生行政をつかさどる省としての責務というものがまったく失われているし、本質というものを厚労相自身がお忘れになっているのか、放棄されたのかと言わざるを得ない」と述べた。
また、薬害HIV原告の川田龍平参院議員は、「告知すべきだった人はいないというふうに認識していたというこの回答についても、とても納得できるものではない」と述べた。
最終報告は、原告と医療機関のヒアリングを行い、来週中に行われる。
デモ行進の途中、厚労省の中間報告の内容を知った薬害肝炎訴訟・原告の平井 要さんは、「そんなバカばかな...。これは、国の無作為でなったもん(薬害)ですからね。じゃあ、今まで亡くなった人、それからそのときに治療すればよかった人は、悔やんでも悔やみきれないわけですから」と話した。
江戸時代から続く薬の街、大阪市に位置する田辺三菱製薬の本社前は、ちょうど薬の神様のお祭り「神農祭」のさなかだった。
そのせいか、普段は開いている本社玄関は、シャッターが下りていた。
薬害肝炎・原告代表の山口 美智子さんは、「田辺三菱製薬企業は、わたしたちの健康を奪ってきたんです。しかし、わたしたちを中に入れようともしません」と話した。
12月7日に予定されている大阪高裁の和解案提示に向けて、薬害肝炎の支援者たちは、田辺三菱製薬に対する不買運動を本格化させる考えだという。
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2007/11/23 00:40