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2007年11月22日(木) 10時00分

前倒しで稼ぐ米企業 危機感薄い日本企業日刊ゲンダイ

 日を追うごとに深刻化しているサブプライムローン問題。発信源である米国では下半期の最大イベント、クリスマス商戦に異変が起きているという。
「米クリスマス商戦は、通常、感謝祭明けの金曜日に始まります。今年は11月23日。しかし、前倒しするところが続出しています。小売り最大手のウォルマートは今月2日から開始。同じ頃スタートした玩具大手のトイザラスはいきなり安売りを仕掛けるほど。サブプライム問題が拡大して消費マインドが落ち込む前に、お金を使わせようという狙いでしょうね」
 3週間も早く始まったクリスマス商戦に、米在住の商社マンもさすがに事態の深刻さを感じているという。家を手放さざるをえない低所得者層が、去年のようにクリスマスだからといってプレゼントを買ったり高級レストランで食事するなんてことは考えにくいことが分かるからだ。
 先手必勝。米企業がこの戦法に打って出たのに対し、日本企業の危機感はいまひとつ。
 北米で大型のプラズマテレビが絶好調の松下電器は、下半期に前期比で2ケタ増を狙う。松下が気にしているのは供給の限界。つまり売れすぎた場合の対応を気にしている。「サブプライム問題ですか。クリスマス商戦が全体的に冷え込めば、対応を考えますが……」とこちらの質問に虚をつかれたという感じ。
 ソニーは「米国の代理店や量販店などから要請があれば前倒しを検討するかもしれない」としながらも、例年通り23日から商戦に入る。ホンダは原油高に加えてサブプライム問題が取り沙汰されることはかえって好都合と見ているフシがある。
「米消費は堅実になるため、クルマが必需品の米国ではより燃費のいい日本車を買う動機づけになる」と期待するほど。WiiもDSも上方修正する絶好調の任天堂に至っては、「毎日がクリスマス」と言ってはばからない。
 だが任天堂のような企業は一握り。後悔先に立たず……にならなければいいが。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000010-gen-ent