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2007年11月22日(木) 15時38分

【鈴香被告公判ライブ(6)】「何で『成仏』?」「正直に話してほしいと…」捜査員証言産経新聞

 鈴香被告の取り調べを行った秋田県警捜査1課の元警察官に対する弁護側の尋問が続く。弁護側は、証人が取り調べ中に鈴香被告に発したとされる文言一つ一つについて詳細に質問。誘導や強制がなかったか、自白の任意性に疑いはないのかを追及した。

 弁護側「『(彩香ちゃんと豪憲君を)成仏させなきゃいけない』という発言は、どういう文脈で言ったのか?」
 証人「説得の中で、そういうふうに言った」
 弁護側「それを言うことで、(鈴香被告に)何を求めたのか?」
 証人「被害者のためにも、正直に話をしてほしいと(思った)」
 弁護側「それは(彩香ちゃんと豪憲君の)どっちの事件について?」
 証人「両方について」
 弁護側「これまで、(容疑を)否認した容疑者に、こういう話をしたことはあるか?」
 証人「大きな事件の時に、『成仏』という言葉を使って言ったことはある」
 弁護側「今回は、(成仏という言葉を)何回言ったか?」
 証人「何回か。数え切れないほどではないが」

 今年3月に県警を退職したばかりという証人は、記憶をたどるようにときおり考え込みながら、慎重に答えた。
 次に弁護側は、証人が豪憲君の死体遺棄容疑で鈴香被告の取り調べを行った際、彩香ちゃんの殺害との関連性をどの程度疑っていたのかについて質問した。
 「結論ありき」で、強引な取り調べが行われなかったか−を解明するためだとみられる。

 弁護側「(彩香ちゃんが死亡した)4月9日の(鈴香被告の)行動について聞き始めたのは、いつごろからか?」
 証人「(豪憲君の死体遺棄容疑で取り調べを行った)この日が最初」
 弁護側「どういうことで、このことを聞いたのか?」
 証人「当時は豪憲君の死体遺棄を調べていて、殺人事件に発展する可能性があった。その動機として彩香ちゃんの関連を調べる。その時点で、4月9日の行動だけ、記憶の新しいうちに、言うがまま聞くように、という指示があった」
 弁護側「あなたは彩香ちゃんについても、(鈴香被告が)被疑者じゃないかという疑いを持っていたのか? 被疑者自身は、かかわりについて言っていたのか?」

 3秒ほど法廷が沈黙に包まれた。

 証人「…言っていない」
 
 質問は、豪憲君殺害を自白した後の、取り調べ内容にも及ぶ。

=つづく=

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