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2007年11月22日(木) 02時31分

<大阪初芝学園>副知事を接待 私学課幹部3人も毎日新聞

 私立学校への補助金支給や指導・監督などを担当する大阪府私学課の幹部や出身者らが、府から約8億2000万円の私学助成を受けている学校法人大阪初芝学園(本部・堺市)の幹部らと十数年前から会食を繰り返していたことが分かった。同課長などを経験した山登(やまいと)敏男副知事(58)ら4人で、学園側が全額を負担したケースも多い。

 関係者によると、府OBの学園前専務理事(07年退職)が87年に専務に就任して数年後、山登氏ら旧知の府職員や私学課関係者を飲食接待し始めた。多くの場合、府側は1〜3人、学園側は前専務と現専務(府OB)の2人が出席し、椋本理事長が加わることもあったという。

 山登氏は▽私学課参事(93〜95年度)▽同課長(96、97年度)▽同課上部の生活文化部長(02、03年度)などを歴任し、私学行政に深くかかわってきた。ほかに▽井上博司・水道部経営企画課長(元私学課長)▽植田剛司・自立支援課長(元同課長補佐)▽村田守男・人権推進担当課長(元同課参事)の歴代私学課幹部が接待を受けた。

 山登氏は少なくとも参事時代から毎年数回、会食に応じ当初は飲食代を支払っていなかった。数年前から「会費」を負担するようになったが、学園の負担の方が多く、学園会計の「会議費」があてられたという。

 関係者によると、会食は04、05年の判明分だけで大阪・ミナミの割ぽうなどで計6回あり、山登氏が2回、井上氏と植田氏が各4回、村田氏が1回参加。府幹部らは「5000〜1万円を負担した」としているが、学園会計からは計約57万円が支出されており、学園関係者は「事実上の接待」と指摘する。

 97年に施行された府の「綱紀保持基本指針」は、職務上で利害関係のある業者からの接待や会食を原則として禁じ、違反は処分対象になる。

 学園専務は「儀礼的な付き合いで、会食の席で陳情を行ったことはない。しかし、利害関係者が公務員と会食することは好ましくはなく、今にして思えば不適切だった」と話している。

 一方、府の4人は接待・会食について大筋で認め「距離さえ保てば、私学関係者との交際も必要」(井上氏)、「会費を払っており問題はない」(植田氏、村田氏)などと話している。【岩崎日出雄、鮎川耕史】

 ◇便宜図っていない

 山登副知事の話 府OBの専務理事(当時)の誘いで十数年前から会食を続けてきた。私学課長や生活文化部長時代にも会食はあった。会費を払った記憶はあるが時期は分からない。学園の経営再建などの相談に乗るなどしたが、便宜を図ったことはない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000012-mai-soci