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2007年11月22日(木) 23時03分

<厚労省>児福法大幅改正へ 施設内虐待の防止盛り込む毎日新聞

 親の虐待などさまざまな事情から家庭で暮らせない子供の生活する施設や里親家庭の見直しをめぐり、厚生労働省は、児童福祉法を大幅改正する方針を決めた。児童福祉施設で起こる施設内虐待の防止・対応策を初めて盛り込み、子供から被害の届け出があった場合、都道府県に対応を義務付ける。また、家庭的環境での養育を目指し、少人数の新たな養育制度を創設。都道府県に施設や里親の整備計画を作成させる。来年の通常国会への改正案提出を目指す。

 改正方針は、施設や里親家庭のあり方を論じてきた同省社会保障審議会専門委員会(委員長・柏女霊峰(かしわめれいほう)淑徳大教授)が22日まとめた報告の骨子に基づく。

 施設内虐待は、逃げ場のない密室で埋もれたケースもあるとされ、早急な対策が必要とされてきた。改正案では、児童間の暴力を職員が放置すれば職員による虐待(放棄)とみなす。第三者を含む都道府県の対策チームで再発防止を図ることも検討する。

 新たな養育制度は、一般の里親家庭で6人前後の里子が暮らす「里親ファミリーホーム」を手厚くした形態などを検討する。同ホームは8都道県3政令市が独自に助成し、36家庭で153人の子供が暮らすが、里親の負担軽減などが課題だ。このほか、施設を出た子供の自立支援のため、退所児を主な対象とする施設(自立援助ホーム)の入所年齢を20歳未満まで引き上げる方向。

 3万人が暮らす児童養護施設は、被虐待児の急増などで満杯状態で、職員の配置基準見直しが現場から強く求められている。【野倉恵】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071122-00000179-mai-soci