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2007年11月21日(水) 15時01分

<大阪初芝学園>裏金作り政治献金…業者からマージン毎日新聞

 大阪府と和歌山県で八つの小中高校・幼稚園を経営し、両府県から約10億7000万円の補助金を受けている学校法人大阪初芝学園(本部・堺市)が取引業者からバックマージンを徴収して簿外で管理し、椋本彦之理事長(71)らの名義で約600万円を政治献金などに使っていたことが分かった。同学園を巡っては、架空運動場による税逃れなどの問題が明らかになっている。

 複数の関係者によると、同学園は十数業者に毎年、学園での年間売り上げの3〜5%または定額のバックマージンを「寄付」として割り当てている。マージンは93年度まで全額が簿外にプールされ、主に理事長が費消。大手監査法人の指導で、94年度から一部、95年度から全額が学園会計に組み込まれたが、93年度末の残高約2300万円は簿外に残して理事長らが使い続け、07年3月の残高は約430万円にまで減っていた。

 関係者の話と内部資料で使途が一部判明し、椋本理事長就任翌年の92年度以降、裏金から約600万円が政治家の後援会費やパーティー券などに使われていた。大半が椋本理事長名義だった。

 多い支出先は、前官房副長官の下村博文衆院議員(自民、東京11区)の後援会費120万円で、椋本氏の年会費12万円を97年から10年間支出。他に、理事長ら幹部名義で▽谷川秀善参院議員(自民、大阪選挙区)に「お祝い」10万円=95年▽柳本卓治衆院議員(同、比例近畿)のパーティー券3万円=06年▽竹本直一衆院議員(同、大阪15区)のパーティー券2万円=06年−−などが裏金から支出されていたという。学園はいずれの支出も裏帳簿に記載があることを認めた。【岩崎日出雄、鮎川耕史】

 ▽松本茂・大阪初芝学園専務理事の話 簿外の金は私が管理し、帳簿(裏帳簿)もつけていた。理事長の立場で学園のために政治家を支援しているケースもあり、学園の裏金から支出しても許容範囲と考えて支出した。これらの支出は公認会計士に精査してもらい、私的な支出と認定されれば、個人から学園に返金する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071121-00000063-mai-soci