記事登録
2007年11月21日(水) 11時20分

地裁所長に厳重注意 破産事件に同席し質問 宇都宮朝日新聞

 宇都宮地裁の園尾隆司所長が2月、同地裁での破産事件の審尋に担当の裁判官3人とは別に出席して質問していたとして、東京高裁は21日、園尾所長に対して竹崎博允長官が20日に厳重注意をしたと発表した。「裁判の公正の確保について重い職責を担う所長として軽率だった」と判断した。所長が監督責任でなく、自身の行為により注意を受けるのは極めて異例。

 高裁は、審尋に立ち会うことを許可した同地裁の福島節男判事に対しても「不適切だった」として厳重注意をした。

 園尾所長は破産事件の当事者に「書記官の補助者」と説明していた。高裁に対しては「破産事件に高い関心があり、珍しい事件なので研究心から立ち会った」と話しているという。所長は「真摯(しんし)に受け止める」とのコメントを発表した。

 この問題では、栃木県弁護士会が10月の臨時総会で所長の懲戒処分などの対応を求めていた。高裁は、裁判の決定に影響を及ぼしていないことなどから懲戒には当たらないと判断し、司法行政上の監督権に基づく注意にとどめた。

http://www.asahi.com/national/update/1121/TKY200711210079.html