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2007年11月20日(火) 02時31分

<山田洋行>元専務らのプール資金11億円 地検が使途追及毎日新聞

 防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)らが米国の口座にプールしていた資金が、約1000万ドル(約11億円)に上ることが分かった。さらに、元専務らが横領したとされる1億円余とは別に、約40万ドル(約4400万円)の裏金を日本に送金していたことも判明。東京地検特捜部は今月、この裏金について米司法当局に捜査共助を要請した模様だ。特捜部は、裏金の一部が守屋武昌前防衛事務次官(63)への接待などに使われた疑いもあるとみて、贈収賄容疑で捜査している。

 関係者によると、山田洋行の米子会社「ヤマダインターナショナルコーポレーション」は十数年前から、役員賞与を支払ったように装うなどして裏金を作り、ヤマダ社元社長の秋山収容疑者(70)が管理していた。こうした裏金に加え、株の売却代金や配当利益など計約11億円を自由に使える金としてプールし、訪米中の国会議員や防衛官僚らの接待費などに充てていたという。

 宮崎元専務らは、このうち約1億1700万円を横領したとして業務上横領容疑で逮捕されたが、ほかにも約4400万円の裏金を不正に流用した疑いが浮上した。特捜部は、資金の流れを解明するため、米司法当局に五つ前後の口座を調べるよう求めたとみられる。

 一方、山田洋行は国内でも、子会社が購入した商品券を引き取って換金する方法などで毎年200万円前後の裏金を捻出(ねんしゅつ)し、歴代の監査室長が管理していた。02年ごろの残額は約900万円に達し、守屋氏の接待などに充てられたという。05年11月、山田洋行のオーナー親族の結婚式が行われた際に、額賀福志郎財務相と久間章生元防衛相に支払われた「車代」の原資も、国内の裏金だったとされる。

 特捜部は既に元監査室長の自宅を捜索しており、国内の裏金についても調べを進めている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071120-00000006-mai-soci