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2007年11月20日(火) 01時58分

被害女性、抗議後に異動 「総長命令」と説得 都築学園朝日新聞

 大学などを全国展開する都築学園グループ(本部・福岡市)の前総長による強制わいせつ容疑事件で、被害者の大学職員(23)らが連名で大学側に提出したセクハラへの抗議文が前総長に伝えられず、逆に女性職員が異動させられていたことがわかった。大学側は「職員への配慮」としているが、職員は異動を強く拒んだといい、抗議文提出への制裁やセクハラを隠す目的の異動だった可能性も指摘されている。

 県警の調べなどによると、被害者の女性は今年9月、他の女性職員十数人と連名で、前総長・都築泰寿容疑者(71)のセクハラ行為の改善を求める抗議文を大学側に提出した。だが、抗議内容は上層部に伝えられず、セクハラ防止策は取られなかった。女性は直後の10月、グループ傘下の他校に異動させられたという。

 関係者の話では、女性職員は異動を告げられた際、「なんで私だけなんですか」と強く反発。人事担当者が「総長命令だ」などと説得したという。学内のある関係者は「10月には定期異動はない。女性職員は『飛ばされた』と受け止めている」と話している。

 大学側は「同じ職場では働きづらいだろうと配慮した。担当者は『説得するために総長命令と言ってしまった』と話している」と説明している。

 前総長は容疑を否認しているとされる。

http://www.asahi.com/national/update/1120/SEB200711190022.html