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2007年11月19日(月) 10時00分

5分間の沈黙が会議を変える日刊ゲンダイ

 会議中に5分間沈黙するだけで、創造性は2倍に高まる——。こんな研究成果が先ごろ報じられ、話題になっている。
 オランダはティルブルグ大のアルネ・デ・ベット氏らの研究グループが報告したもので、ベット氏らは、過去30年に発表された社会や心理学関係の論文400以上を検証。アイデアを求めて会議に臨む場合、大声で激論を交わし続けるのと、5分間だけ議論の輪に加わらずにテーマを静かに考えるのと、どちらが効果的であるかを調べた。
「その結果、会議中の一時的な“沈思黙考”が、創造的なアイデアを思いつくのに最も効果があると出たそうです。5分ほど黙っているだけで、人が変わったように斬新な企画が湧くというのだから、簡単です」(科学ジャーナリスト)
 徳川家康がまさにこのタイプだ。軍議中は、武将たちの議論を時に傍観し、最後に意見を言って適切な流れをつくるというパターンだ。
「会議は、その時によって白熱しているか、沈滞しているかのふたつに分けられます。議論が白熱しているケースでは、感情論が支配し、論点がズレてしまうことが多い。5分間黙ることによって、本来のテーマの趣旨に意識を戻すことが可能なのです」(東京女学館大教授の西山昭彦氏=経営学)
 心理学的にも有効だという。ストレスケア日比谷クリニック院長で精神科医の酒井和夫氏もこう言う。
「目をつぶって自分を瞑想状態に置くことは、いま行われている議論を客観的に分析する効果を生む。とくに内向的で口下手な人は、自分が何を話しているかという整合性にばかりに意識を奪われがちで、マイナスが多い。口数が多ければ、脳にも余分な負担がかかる。5分間の沈黙はいいアイデアです」
 政治家の議論を見ても、四六時中まくし立てる人にロクな意見はない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071119-00000009-gen-ent