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2007年11月19日(月) 10時00分

ますます奇怪“4500万円の謎”日刊ゲンダイ

 15日の参院の「守屋喚問」は、野党の追及の甘さもあって、疑問ばかりが残った。守屋前次官が4500万円もの大金を側近の部下に貸し付けていた一件もそうだ。
 証言によると、守屋は97年ごろ、現在住んでいる東京都新宿区の自宅購入資金として、父親から譲り受けた仙台市内の山林を約5000万円で売却。その年の7月に、河村延樹・現防衛政策課長(47)から「少し増やしてあげますから」と投資話を持ちかけられ、2500万円と2000万円の2回に分けて貸し付けた。借用書も取っていたというが、不自然なことだらけだ。
「守屋氏は課長にカネを貸したとされる97年、神楽坂で中古の一戸建て住宅を購入した。当時の実勢価格で、8000万円とも1億円ともいわれる物件です。そのために3500万円のローンを組んだのに、喚問では『当座、使わないカネがあったので貸した』と証言した。5000万円の手持ち資金があれば、ローンを全額返済すればいい。これもおかしな話です」(関係者)
 河村課長は防衛省の調べに対し、投資先について「父親の部下に預け、何に使うかは聞いていなかった」とはぐらかしたという。いくら河村課長が守屋の側近中の側近とはいえ、上司と部下の関係で巨額の貸し借りをしていたのも奇妙。揚げ句に「投資先は分かりません」では通らない。
 それで投資が焦げ付いたから、河村課長は02年に1100万円の預金小切手を守屋に渡して穴埋めしたというが、にわかに信じがたい。
「そのため霞が関ではさまざまな憶測が流れています。ひとつは、省内でトラブルを起こして“更迭”された河村課長が、守屋氏の鶴の一声で本流に戻れたというもの。実際、課長の私生活に関する怪文書も出回っています。小切手はそれに絡んでいるのではないかという話がある。もうひとつは、課長が守屋と山田洋行の“トンネル”に利用されたんじゃないかというもの。あまりに不自然な点が多いから、あらぬ噂も立つわけです」(霞が関関係者)
 石破防衛相は16日、河村課長を更迭することを決めたが、本当に徹底追及してもらわないと、誰も納得できない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071119-00000011-gen-ent