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2007年11月18日(日) 10時00分

守屋 偽証告発を覚悟日刊ゲンダイ

 15日の証人喚問の最大のポイントは守屋前次官の偽証疑惑。先月29日の衆院での喚問では、山田洋行・宮崎元伸元専務への見返りについて、「便宜供与は一切ありません」と全面否認した。しかし、その後、3つの矛盾点が浮かんでいる。守屋がどう証言を言い直すかが注目された。

 ひとつ目の疑惑は、2003年8月、GEのエンジン採用を決めた防衛庁の装備会議。次官として議長をつとめた守屋は、前回証言で、山田洋行がGEの販売代理店だったことを「承知していなかった」と答えた。だが、問題の会議の配布資料に「国内代理販売店」として山田洋行の名前が記されていた。守屋は当時、3回発言している。「承知していなかった」はずはないが、15日の喚問でも守屋は「議長はしていたが、承知していなかった」と改めて否定した。
 もうひとつは、今年6月、CX(次期輸送機)エンジンの調達をめぐり、「随意契約ではダメか」と部下に発言していたことも追及された。前回の証言では、「契約の運用方針が変わったことを知らなかった」と答えたが、守屋は昨年9月以降、数回にわたって同様の説明を受けていたことが防衛省内の調査で明らかになっている。ウソをついたことが焦点だが、守屋は15日も改めて、「そのようなことは記憶にありません」と否定した。
 最後は、水増し請求の問題だ。山田洋行が2000年、ヘリコプター装備品について1億9000万円も過大に請求していたことが発覚したが、山田洋行は処分されなかった。この問題で守屋は、「処分は必要ないと部下に発言したか」と改めて追及された。しかし、前回同様、「そういう発言は覚えていない。記憶にありません」とトボけた。
 便宜供与問題について、守屋の証言は前回と何も変わっていない。民主党議員の追及の仕方が甘かったせいか、それとも本人は「偽証」告発を覚悟する作戦に出たのか、口をぬぐい続けた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071118-00000008-gen-ent