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2007年11月18日(日) 00時00分

大阪市長選、平松氏が初当選朝日新聞

 大阪市長選は18日、投開票され、元毎日放送アナウンサーの平松邦夫氏(59)=民主、国民新推薦、社民支持=が、いずれも無所属で、現職の関淳一氏(72)=自民、公明推薦=、元市議の姫野浄氏(72)=共産推薦=、元大阪市立大教授の橋爪紳也氏(46)、人材派遣会社員の藤井永悟氏(31)の4氏を破り、初当選した。市の幹部経験者以外の市長誕生は公選制になった47年以来初めて。今後、関氏が進めた市政改革を見直すかどうかが焦点になる。

大阪市長選挙に当選し、両手に花束をかかげて笑顔を見せる平松邦夫氏=18日午後9時35分、大阪市北区で

 同市長選は福田政権発足後、初めての大型選挙で、自民、公明両党が推す関氏と民主党が擁立した平松氏の事実上の一騎打ちとなった。自公対民主の対決構図になったことで、各党ともに「総選挙の前哨戦」と位置づけ、連日、党幹部を投入するなど国政選挙並みの態勢で臨んだ。

 平松氏は当選の報が伝えられると「大阪変えてえやという市民の声が体中に充満していった。それを力に戦い抜くことができた」と目を潤ませてあいさつした。

 選挙戦で平松氏は、長年にわたって助役出身者が市長を務めてきたことが職員厚遇問題などの温床になったとして「民間から市長を」と訴え、徹底した市政の情報公開を主張した。一方で数値目標を掲げて職員削減や歳出削減を進めた関氏の手法を「希望を持てない」と批判し、市役所の職員労組との対話姿勢も打ち出した。

 告示日には民主党の小沢代表が辞意表明するなど、当初、党の支援態勢にも影響が出ると見られたが、連合大阪や職員労組が全面的に支援。投票率が前回を上回り、無党派層の支持も集めた。

 3選を目指した現職の関氏は「市政改革の継続」を訴えた。ただ、当初、自民、公明両党市議団を中心に外部有識者を重用する関氏の手法に反発、両党の推薦が告示日直前までずれ込んだ。古賀誠選対委員長ら自民党幹部が連日、大阪入りし、業界団体の支持固めをはかり、公明党や支持母体の創価学会も組織戦を展開したが届かなかった。

 姫野氏は第三セクターなどの破綻(はたん)や不適切な同和行政などを批判。福祉や教育の充実を訴えたが及ばなかった。

 政党の推薦を受けない橋爪氏はしがらみのなさを強調したが、無党派層に浸透できなかった。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711180022.html