記事登録
2007年11月18日(日) 22時08分

<大阪市長選>自公に大きな打撃 民主、国会論戦でも攻勢へ毎日新聞

 18日の大阪市長選で民主、国民新両党が推薦した平松邦夫氏が自民、公明両党推薦の現職の関淳一氏らを破って初当選したことで、「次期衆院選の前哨戦」(古賀誠自民党選対委員長)と位置づけてきた与党には危機感が広がった。一方、民主党は小沢一郎代表の辞意騒動を乗り越えての勝利だけに、余勢を駆る形で臨時国会での与党との対決姿勢を一層強めるとみられる。

 「地方選で負けただけだ。国政への影響はない」。自民党選対幹部は敗戦のダメージを否定するが、これは表向きの発言だった。

 実際、自民、公明両党は国政選挙並みの体制で臨んだ。4日の告示日には伊吹文明、北側一雄両幹事長がそろって大阪入りしたほか、自民党は大阪府選出の国会議員に地元入りを指示。公明党も太田昭宏代表や浜四津敏子代表代行らが相次いでテコ入れに入った。

 こうした総力戦を取ったのは、福田康夫首相の就任後初の大型選挙が、今後の政局を占う指標になるという判断があったからだ。それだけに敗戦に大きなショックを受けているのが実態だ。

 今回の敗戦を受け、与党は「民主党が攻勢をさらに強める」(自民党幹部)と懸念。また、大阪市の衆院6小選挙区を与党で独占(自民、公明両党が3議席ずつ)している中での敗北は、次期衆院選に黄信号がともった格好だ。年明けにも大阪府知事選、京都市長選と「関西決戦」が相次いで控えており、体制の早急な立て直しを迫られることになる。

 これに対し、民主党は今回の勝利で大連立騒動に区切りをつけ、次期衆院選への体制を整える構えだ。

 15日に大阪入りした小沢氏は、大連立構想について記者団に「いろいろ皆さんに心配をかけて申し訳なかった。大連立という言葉だけが走ったが、選挙戦で戦って勝つこと自体は何も変わらない」と釈明。鳩山由紀夫幹事長も選挙期間中、大阪市長選で勝つことが自民党との協調路線との決別につながるとの考えを強調していた。

 勝利を受け、党内からは「これで対決姿勢がはっきりしてよかった」(若手衆院議員)との声が上がっており、国会論戦の主導権を握るため攻勢を強めていく方針だ。【野口武則、渡辺創】

【関連記事】 大阪市長選:期日前・不在者投票、11万人を突破
【関連記事】 大阪市長選:あす注目の審判 激戦の選挙運動通じ、主な4候補の手応えは
【関連記事】 大阪市長選:幹部続々、舌戦ピーク 終盤へ対決姿勢強める
【関連記事】 大阪市長選:比較ビラ、各候補のマニフェストを評価
【関連記事】 大阪市長選:民主推薦・平松邦夫氏当選 自公推薦現職破る

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071118-00000085-mai-pol