記事登録
2007年11月18日(日) 21時13分

風に頼らず地道な戦い 大阪市長に当選確実の平松氏朝日新聞

 自民、公明両党が推薦する現職を破り、60年ぶりに助役経験のない候補者が市長の座を射止めることを確実にした。

平松邦夫さん

 民主党推薦で立候補を決意。だが、小沢代表の騒動に振り回された。大連立構想に始まり、告示日には代表の辞意表明——。表向きは平静を装ったが、本音は「あんなことがなければ、小沢さんにも演説に立ってもらいたかった」。

 94年までの19年近く、毎日放送の夕方のニュース番組「MBSナウ」でキャスターを務めた。画面からは遠のいたが、選挙戦で商店街を歩くと中高年の女性からは「テレビよりずっと男前やね」。関西の「夕方の顔」の人気は健在だった。

 それでも地道な戦いに徹した。陣営にはタレントを応援に呼ぼうという声もあったが、「風だけでは勝てない。ひたすら街を歩く」と固持し続けた。

 職員4万3千人、5兆4千億円の借金を抱える市政のかじ取りは難しさを極める。職員厚遇問題や同和行政を巡る不祥事で市への視線は厳しい。「行財政は素人。困難な問題も抱え込まず、市民にわかりやすく伝えたい」。懸案にも一つひとつ地道に取り組んでいく覚悟だ。

 初孫が2月に生まれた。「寝て、起きて、選挙戦」の日々、携帯電話に送られてくる動画に癒やされた。「キャッキャって声を聞くと、大阪の未来像を真剣に考えなきゃいけないと思う」

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711180021.html