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2007年11月18日(日) 20時41分

<大阪市長選>無所属新人の平松邦夫氏当選確実に毎日新聞

 任期満了に伴う大阪市長選は18日投開票され、無所属新人の元アナウンサー、平松邦夫氏(59)=民主、国民新推薦=が、3選を目指した現職の関淳一氏(72)=自民、公明推薦=ら4人を破り、初当選を確実にした。大阪市で行政経験のない純民間市長が誕生したのは戦後初。福田政権発足後初めてで、中央と同じ対決構図となった政令市長選でもあり、結果は次期衆院選など国政を巡る情勢にも影響を与えるとみられる。今後の市政運営で、平松氏は議会で多数を占める自公との対立も予想される。任期は12月19日から4年間。

 他に元市議、姫野浄氏(72)=共産推薦▽元大阪市立大教授、橋爪紳也氏(46)▽派遣会社員、藤井永悟氏(31)のいずれも無所属新人が立候補していた。

 平松氏は民主の要請を受け、関氏から1カ月以上遅れた10月18日、正式に立候補を表明。関氏が自民、公明にのみ推薦を求めていたため、同市としては44年ぶりに共産以外のオール与党体制の構図が完全に崩れ、かつてない激戦となった。

 自公への対決姿勢を鮮明にする民主は「次期衆院選の前哨戦」と位置づけ、平松氏を全面支援。中央から党幹部らが続々と大阪入りした。平松氏は、関氏が2年前から進めた行財政改革を「数値目標ありきだ」と批判。官対民の対決を前面に出し、知名度を生かして無党派層にも浸透した。

 関氏は「道半ばの改革をやり切る」と改革の実績と継続を強調したが、過去の市政運営を巡る市議らの反発などから、自公の正式推薦が告示ぎりぎりまで遅れた。告示後は危機感を募らせた両党が組織を挙げて支援したが、7月の参院選で民主に第1党を許した流れを変えられなかった。

 姫野氏は大型開発や同和行政を批判したが、幅広い支持を得られず、政党推薦のない「市民派」を掲げた橋爪氏は、政党間の激しい争いに埋没した形となった。

【井上直樹】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071118-00000075-mai-pol