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2007年11月17日(土) 10時00分

野党が「不同意」を叩きつけた政府委員3人の経歴日刊ゲンダイ

 14日午前の参院本会議で56年ぶりの“珍事”が起きた。政府が提示した14機関28人分の国会同意人事案件のうち、民主、社民、国民新の野党3党が3人の再任に対し、「不同意」を叩きつけた。野党に「ノー」を突きつけられた3人はそろいもそろって「天下り官僚」だ。
 労働保険審査会委員の平野由美子氏(56)は香川出身。1973年に九大法学部を卒業後、旧労働省に入省した。人事院公務員研修所副所長を経て、02年1月から総務局審議官を務めた。その後、03年1月に人事院国家公務員倫理審査会事務局長に就任、現職に就いたのは昨年11月のことだ。
 運輸審議会委員の長尾正和氏(65)は、バリバリの旧運輸省キャリアだ。兵庫出身で、65年に東大法学部を卒業後、運輸省に入省。官費でイリノイ大大学院に留学後、国有鉄道改革推進部監理課長などを経て、91年には「エリート官僚の集まり」とされる官房審議官に登用された。
 海上技術安全局船員部長を最後に退官すると、93年には日航財団副理事長に天下り。その後も、94年に日本観光協会理事長、01年に運輸政策研究機構理事長と“渡り”を繰り返し、04年から現職にとどまっていた。審議会委員の報酬は、年間1797万円だ。
 公害健康被害補償不服審査会委員の田中義枝氏は、キャリア組ではないが、「医官」として旧環境庁や厚生労働省のポストを歴任。現職に就く前は国立感染症研究所企画調査主幹に天下っていた。
 野党が過半数を占める参院で不同意となったことで、政府は人事の差し替えに迫られる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000013-gen-ent