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2007年11月17日(土) 10時00分

福田政権 守屋・宮崎 口封じ日刊ゲンダイ

 防衛省の守屋武昌前次官の証人喚問が15日参院でも行われる。強制捜査前だから「余分なことはしゃべらない」ともっぱらだが、いざ逮捕されたら守屋はペラペラしゃべるつもりらしい。それは先に逮捕された宮崎元伸元専務も同じで、「悪いのはオレだけじゃない」と政治家の関与もゲロっている。その口をふさごうと、福田政権は必死だ。
 山田洋行とケンカ別れして、日本ミライズを設立した宮崎。それを“刎頚(ふんけい)の友”の守屋がバックアップしたことが今回の防衛汚職の柱だ。検察はとりあえず、宮崎と守屋2人だけの癒着を立件しようとしている。
 だが、それじゃあ、宮崎と守屋は面白くない。「なぜオレたちだけが……」と、山田洋行経営陣と久間章生元防衛相のことなどを積極的に話しているという。
「宮崎は、山田洋行で政治家を接待したり、カネも配る担当だった。同業他社も含めてウラのウラまで知っている。同じようなことはどの企業だってやっていると供述している。当然、山田洋行と親しかった久間、額賀といった歴代防衛庁長官のことも全部しゃべっていますよ」(司法関係者)
 守屋も逮捕されたら、何でもしゃべるとみられている。
「守屋は、いわゆる東大卒のエリート官僚とは違う。秘密は墓場まで、と考えるタイプではない。それに夫人までタカリ屋のように報道されて家族も表には出られなくなった。もう失うものもないから、逮捕されたら“死なばもろとも、全員道連れだ”の心境でしょう」(政界関係者)
 そんなことになったら、福田政権は大揺れだ。そこで、久間元防衛相は病院に隠れ、臨時国会後には内閣改造で額賀財務相も交代させられるとささやかれている。
「実は、福田首相はじめ自民党が早期解散説を流すのも、検察への牽制という見方があります。選挙が近いときは、検察は時の政権に気を使って政治家をやらないものなのです」(前出の司法関係者)
 だが、防衛汚職が宮崎と守屋だけで片付けられて、世論は納得するか。「今の検察は福田首相に近いことで有名」なんて話が流れているだけに、東京地検特捜部も安直な幕引きは許されない局面だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000011-gen-ent