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2007年11月17日(土) 10時00分

織田裕二版「椿三十郎」の試写室は爆笑の渦日刊ゲンダイ

 昨今のリメークラッシュに辟易(へきえき)している黒沢ファンも、この作品は楽しめるかもしれない。12月1日に全国公開される織田裕二主演の映画「椿三十郎」だ。
 オリジナル作品は1962年に黒沢明監督、三船敏郎コンビで公開された。物語は、ある藩で上級役人の不正を暴くために9人の若侍が立ち上がる場面から始まる。ところが、若侍たちは、逆に悪人の手によって絶体絶命のピンチに……。その時、無精ひげを生やした素浪人が現れて窮地を救い、9人の若侍と巨悪に挑むことになる。
 オリジナルでは独特のユーモアで人をケムに巻く“三船三十郎”の演技、21人斬りのシーン、仲代達矢が演じた三十郎の宿命のライバル・室戸半兵衛との決闘など数々の名場面が出てくる。気になるリメーク版はどうかというと……。
「オリジナルの黒沢監督の脚本に忠実に作られている印象がしました。まず、椿三十郎のセリフはオリジナルと一言一句、一緒です。21人斬りの殺陣は、織田裕二と三船敏郎さんを比べるのは野暮というもの。スピード、迫力は劣るけど、織田なりに努力した跡が見られました。オリジナルを知らない若い世代は素直に楽しめるでしょうし、オリジナルを見たことがある人でも納得できる作品だと思います」(映画評論家・垣井道弘氏)
 リメーク版はユーモアと笑いを強調しているという声もある。
「城代家老夫人役の中村玉緒、その娘を演じる鈴木杏の浮世離れした素っ頓狂な様子は笑えます。松山ケンイチら若侍が端々で見せるトンマな表情もユニーク。試写室は爆笑の渦でした」(映画ライター)
 リメーク版「新・椿三十郎」を「どうせダメだろう」と思っていた人は考え直した方がよさそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071117-00000003-gen-ent