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2007年11月17日(土) 08時00分

宮崎容疑者 オーナーと対立、横領決意 裏金作り「私の了解」産経新聞

 防衛専門商社「山田洋行」をめぐる不正支出事件で、業務上横領容疑などで逮捕された同社元専務、宮崎元伸容疑者(69)が、長年にわたって同社米国法人の資金を裏金化していたことを東京地検特捜部の調べに対し、認めていることが16日、関係者の話で分かった。また、宮崎容疑者が、裏金や株売却益などの海外資金分配をめぐり、山田洋行オーナーと対立したことから、横領を決意したことも新たに判明した。

 関係者の話によると、宮崎容疑者は、米国法人「ヤマダインターナショナルコーポレーション」の資金を役員報酬名目などで振り出し、インターナショナル社元社長の秋山収容疑者(70)=同容疑などで逮捕=名義の口座などにプールしていたことについて、「私の了解の下に行わせていた」などと、認める供述をしているという。

 宮崎容疑者は日本国内にいることが多かったため、裏金管理の実務は、米国にいる山田洋行の元幹部らに行わせていたという。

 こうした裏金とは別に、宮崎容疑者とオーナーら計3人が実質的に保有するグループ会社株の売却益(400万ドル〜500万ドル)や、グループ会社の営業利益なども別口座にプールされており、宮崎容疑者らが使うためにプールされた海外資金は1000万ドル(16日のレートで約11億円)に上った。

 しかし、宮崎容疑者は昨年6月、オーナー側と対立して山田洋行を退職。この前後に、同社側が、株の売却益やグループ会社の営業利益を管理する口座を凍結したため、宮崎容疑者は裏金口座から約100万ドルを引き出して横領することを計画したという。

 宮崎容疑者は100万ドルを引き出した事実は認めているが、「裏金作りは自分だけの意思ではないし、株売却益やグループ会社の営業利益など、1000万ドルのうち3分の1は自分に権利がある。100万ドルは取り分の一部に過ぎない」などと主張している。

 これまでの調べでは、宮崎容疑者は平成18年9月から今年1月まで4回にわたって、裏金化されていた米国法人の資金計約100万ドル(約1億1745万円)を送金させ、着服した疑いなどが持たれている。


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