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2007年11月16日(金) 02時34分

<いじめ>名大高女生徒の自殺、いじめが一因だった毎日新聞

 文部科学省が15日公表したいじめ自殺の統計で、いじめが一因とされた6人の中に、国立名古屋大学教育学部付属高校(名古屋市千種区)の女子生徒(当時17歳)の自殺が含まれていることが分かった。同級生の言葉などを苦にしていたといい、総務担当の名大理事らは「交友関係の行き違いの要素が大きいとみられるが、保護者からいじめとの指摘があり、文科省のいじめの定義に従って報告した」と話している。

 同理事らによると、この女子生徒は1年生だった04年9月から不登校になり、学校は11月に保護者から「いじめがあった」と指摘を受けた。事情を聴いたところ、生徒側はある同級生に▽「なんで(私以外の)別の子と一緒に帰るの」と言われて苦痛に感じた▽あいさつをしても無視された−−などと訴えた。一方、同級生は「仲良くなりたくて声をかけた」「あいさつに気づかなかった」と、いじめの意図を否定したという。

 女子生徒はその後も休学を続け、昨年8月25日に自殺した。

 学校側は調査時点では「交友関係を作る上で生じた行き違い」と判断。同級生は「嫌な思いをさせてごめんなさい」などと、女子生徒に謝罪の手紙を送っていた。生徒側は学校にも謝罪を求め、メールなどでやりとりしていたという。

 学校側は、友人関係で感じた苦痛などが自殺に影響したとして「生徒の心の苦しみに十分寄り添えなかった」と反省。文科省が今年1月にいじめの判断・定義を「いじめられた児童生徒の立場に立って行う」などと改めたのを受け、同省に報告したという。

 植田健男・同高校長は「このような結果をまねいたことは非常に残念。亡くなった生徒のご冥福をお祈りし、再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

 同校は1947年設立の付属中学に併設する形で50年に開校した共学の中高一貫校。現在の生徒数は高校356人、中学239人。【安達一正】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000020-mai-soci