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2007年11月16日(金) 10時00分

東京に大集合の西洋名画を1日で巡り歩いた日刊ゲンダイ

 東京に西洋の名画が大集合している。今年1月オープンの国立新美術館ではフェルメール「牛乳を注ぐ女」が日本に初お目見え。上野の東京都美術館ではルノワール、モネ、ゴッホ、マティス、セザンヌ、ピカソなどの名作がズラリ。同じ上野の国立西洋美術館はノルウェーのムンクの作品108点の大公開だ。どこも連日大入りだという。絵画好きの中年記者が平日に3つの美術館を巡った。

●開館直後、すでに300人が入場
 記者が真っ先に足を向けたのは六本木の国立新美術館で開催中の「フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展」(12月17日まで)。アムステルダム国立美術館所蔵の作品116点が公開され、なかでも超目玉は日本初公開「牛乳を注ぐ女」だ。
 平日でも午後は行列ができるというので、開館時間の午前10時を少し過ぎて到着。待たされることなく入館できたが、入場者はすでに300人ほどという。館内は6つのゾーンに分かれており、お目当てのフェルメールの絵画はこのうちの2つ目のゾーンに、ただ1点だけ展示されていた。

●「牛乳を注ぐ女」は女性が飛び出してきそう
 作品は意外に小さい(タテ45.5センチ、ヨコ41センチ)。歩み寄ると、コースは2つに分かれる。左側は「ゆっくりお進みください」と書かれたプレートが下がり、右側は「立ち止まってゆっくり鑑賞する方」と書かれたプレートが。入場者を“交通整理”するためだが、それだけ見る人が多いからだろう。
 記者は2つのコースを体験。じっと見ていると、今にも女性が額縁から飛び出てきそうな感じを受けた。解説文の「時を越えた絵」という指摘になるほどと思った。

●ルノワール裸婦像の最高傑作
 次に東京都美術館「フィラデルフィア美術館展」(12月24日まで)へ。米国フィラデルフィア美術館が常設している47作家77点が並ぶ。こちらの最大の売りはルノワールが自ら裸婦像の最高傑作と語った本邦初公開の「大きな浴女」。浴女の目を見るが、自然と視線は体に行ってしまうから不思議。解説文によると、浴女の目は見る人の視線が必ず体に行くように描かれているそうだ。

●ムンクのモチーフ「生命」「愛」「不安」を堪能
 最後は国立西洋美術館「ムンク展」(08年1月6日まで)。有名な「叫び」はなかったが、それに連なる作品「不安」「絶望」「生命のダンス」が公開されていた。記者は花に手を伸ばす白いドレスの女性、男性と手を取り合う赤いドレスの女性、その男女を見つめる黒いドレスの女性が描かれた「生命のダンス」がお気に入り。ムンクのモチーフである「生命」「愛」「不安」が凝縮されていると感じた。
 駆け足だったが、見た絵は約300点。ベルトに付けた歩数計は約3500歩。ちなみに3美術館の合計入場者数は現在、約40万人だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000009-gen-ent