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2007年11月16日(金) 10時00分

あの人は今こうしている 石田延之(信之改め・「ミラーマン」で人気だった)日刊ゲンダイ

 普段は新聞社のカメラマン、危険が迫ると超人・ミラーマンに変身し、インベーダーと戦う。71年から1年間放送され、今でもカルト的な人気を持つ実写ヒーロードラマ「ミラーマン」で主人公・鏡京太郎を演じたのが石田延之さんだ。今どうしているのか。

「この前、新宿で行われたトークイベントは、駆けつけてくれたファンで大盛況でした。それも、放送された当時には生まれてなかった若い人がたくさんいた。今、MXテレビで再放送しているので、それを見てファンになったようです」
 三軒茶屋の事務所で会った石田さん、笑顔でこういった。
 トークイベントは石田さんの初の著書「さよならミラーマン」(大洋図書)出版を記念して開かれた。佐々木剛、宮内洋の「仮面ライダー」組や旧友の芦川よしみがサプライズゲストとして登場、喝采を浴びたそうだ。
「一昨年、足を骨折して入院し、退院しても8カ月間、仕事ができなかった。そんな時、たまたま押し入れの中から、書きかけのミラーマンのシノプシス(あらすじ)が見つかりましてね。それを小説にしてみようかなとヒマに任せて書き始め、どうせなら撮影秘話も含めて、自分の中でミラーマンとしての人生を見直してみようと思ったのがこの本なんです。溶けた金属の塊が頭の上に落ちてきてやけどを負ったり、撮影中にボートが沈没したり、1話から51話までのエピソードがギッシリ詰まってます」
 さて、東京生まれで秋田育ちの石田さんは、東宝芸能学校から東宝演劇部に。TBSテレビ「柔道一直線」で近藤正臣が降板したため、その後を継いでデビュー。「ミラーマン」では主役に抜擢され、第1回の視聴率は36%とダントツ人気を得た。また、それからは、「新選組」「賞金稼ぎ」などのテレビドラマや萬屋錦之介、大川橋蔵の座長舞台に出演するなど、時代劇の似合う俳優として活躍した。06年には「ミラーマンREFLEX」という映画で主人公の兄を演じている。

 ところで、「ミラーマン」といえば、手鏡を使って怪しげな行為に及んだ某有名大学教授もそう呼ばれた。
「あれには本当に腹が立ちましたね。どこかのスポーツ紙だったか、電話してきて、“ミラーマンが捕まりました。どう思いますか?”って。事情を聞いて、一瞬、なるほどうまいアダ名をつけるもんだなと思いました。しかし、次の瞬間、“知るか、そんなこと!”と怒鳴っちゃいました。ほかにコメントしようありませんもの、ハハハ」
 三軒茶屋で「シアター・スパーク1」なる小劇場を経営していたが、この8月で幕を下ろした。今後は俳優業をメーンにしながら、自作の芝居を上演していきたいという。
「あまりにもイメージが強すぎるので一時期、ミラーマンは封印してたんですけど、やはり私の俳優人生の原点ですから、きちんと区切りをつけたい。名前を石田延之に改めたのも再出発する意味を込めました」
 川崎市に妻、長女、長男の4人暮らし。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000006-gen-ent