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2007年11月16日(金) 01時36分

<船場吉兆>大阪府警、強制捜査へ 16日にも本店捜索毎日新聞

 高級料亭や加工食品販売を営む「船場吉兆」(大阪市、湯木正徳社長)が産地や原材料を偽装した肉類を販売するなどした問題で、大阪府警生活環境課は15日、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた。16日にも大阪市中央区の本店などを家宅捜索する。

 湯木社長ら幹部は偽装への関与を否定しているが、納品業者らと言い分が食い違うなど疑惑は深まっている。府警は会社ぐるみの関与の有無など、全容解明に強制捜査が不可欠と判断した。

 調べなどでは、船場吉兆は今年3〜10月、佐賀、鹿児島両県産の牛肉を使いながら「但馬牛」と表示し販売。04年ごろ以降は、京都市内の鶏肉専門店から納品を受けたブロイラーを「地鶏」と偽装、販売した疑いなどが持たれている。

 湯木社長らは今月9日の記者会見で「組織的関与は一切ない」とし、牛肉偽装については仕入れ担当者の独断と強調。鶏肉も「納品業者が途中から地鶏をブロイラーに変更していた」と説明した。しかし、業者は毎日新聞の取材に「そもそも店では地鶏を扱ったことがなく、地鶏を吉兆に販売したことはない」と証言している。

 同社を巡っては先月、福岡市中央区の「吉兆天神フードパーク」で菓子類の賞味・消費期限のラベルを張り替え、期限切れ商品を販売したことが同市などの調査で発覚している。

 船場吉兆は、文化功労者の故湯木貞一氏が1930年に創業した高級日本料理店「吉兆」の流れをくむ「吉兆グループ」5社の一つで、91年、大阪市中央区に設立。大阪、福岡両市で店舗展開するほか、食料品製造・販売などをしている。【田辺一城】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000011-mai-soci