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2007年11月16日(金) 09時36分

日本ハムが競合大場獲り参戦、多田野断念日刊スポーツ

 日本ハムが、19日の大学・社会人ドラフトで東洋大・大場翔太投手(4年=八千代松陰)を1巡目入札することが15日、明らかになった。大学NO・1左腕、愛知工大・長谷部康平投手(4年=杜若)を指名予定だったが、直前で方針を転換。3連投だった14日の明治神宮大会決勝で、早大・斎藤佑樹投手(1年=早実)に投げ勝ち完封Vを飾った鉄腕の獲得へ動くことになった。これで最大8球団の競合が予想される今ドラフトの超目玉の争奪戦へ、堂々と殴り込みをかける。
 大学NO・1投手に、ターゲットを絞り込んだ。強気のドラフト戦略が持ち味の日本ハムが、大場の大争奪戦に参戦する方針を固めた。14日の明治神宮大会で3試合連続の完投&2ケタ奪三振で、早大を撃破した最速151キロ右腕。先発完投型のタフな投球スタイルが、先発陣の補強が急務なチーム方針と合致。巨人、阪神など最大で8球団が競合しそうな逸材どりへ、動くことになった。
 一気に方向転換した。当初は、北京五輪日本代表最終候補にアマからただ1人選出されている愛知工大・長谷部を1巡目入札するとみられていた。即戦力左腕の獲得を目指していたチーム事情があったが、阪神から金村との交換トレードで左腕の中村を補強。そのため即戦力であれば、投手の左右にこだわりがなくなり、完成度が高く、以前から高評価をしていた大場へとシフトチェンジした。
 裏事情もある。米大リーグ・アスレチックス傘下3Aサクラメントを解雇された多田野数人投手(27)を水面下で調査し、下位指名を検討していたがこのほど、多田野サイドが米球界復帰の意志が固いため断念。大場と同じ即戦力右腕として評価し、超隠し玉としてリストアップしていた。だが強行指名をしても翻意が難しい現状をふまえ、撤退することが濃厚。多田野の代理人を通じてこのほど、難色を示されたことが、大場へと方向転換を決断する判断材料の1つにもなった。
 例年、強気の指名方針で、ドラフトで数々のドラマを生んできた。昨年のドラフトでは志望球団ではなかった日大・長野久義(22=現ホンダ)を強行指名して、入団拒否された。球団幹部は「もしそうなったら、去年の二の舞い」と、昨年の球団の大きなイメージダウンを危ぐし、多田野は指名回避する方向。今ドラフトの目玉に据えていた「逆輸入投手」を逃すことになるが、くしくも同じ高校(八千代松陰)の後輩の大場へと、くら替えした。
 大激戦必至の超目玉に突如参戦し、またも今ドラフトの台風の目になりそうだ。今ドラフトでは最大で4人、投手を中心に指名予定。明治神宮大会では「ハンカチ王子」の早大・斎藤に投げ勝ち、完封勝ちで東洋大を初優勝へと導いた。全3戦、27イニングを投げ抜いた鉄腕獲得で、投手王国を築き上げる。
 ◆大場翔太(おおば・しょうた) 1985年(昭和60)6月27日生まれ、東京都出身。小3時に西保コンドルで野球を始める。足立十四中では軟式野球部に所属し、八千代松陰高では甲子園出場なし。東洋大では通算33勝、通算410奪三振、14連勝などリーグ記録を次々に更新。今夏は日本代表として日米大学野球選手権、北京五輪プレ大会に参加した。最速151キロ。182センチ、79キロ。右投げ右打ち。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071116-00000060-nks-spo