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2007年11月15日(木) 10時00分

有力後援者を失った自民党の衝撃日刊ゲンダイ

 実の親子による凄惨な殺し合いなのか。徳島県小松島市の建設会社「平山建設」の平山晃千会長(60)宅で11日、平山会長と長男の徹さん(32)が腹や胸を日本刀で刺されて死亡する事件が起きた。
 平山会長の妻によると、2人は同日未明に激しい口論をしていたというが、この事件は自民党にも強い衝撃を与えた。
「平山会長は、東洋大卒後の71年、父親が経営する会社に入社し、同社を徳島県を代表する土建屋に成長させました。地元では『温和な紳士』の評判が高く、小松島市商工会議所会頭や徳島県建設業協会の会長も務めていた。今月3日付で黄綬褒章も受章しています。それと同時に自民党徳島県支部の副幹事長として自民県連の最大の後ろ盾として知られ、地元土建屋の“ドン”的な存在でした」(地元マスコミ関係者)
 自民党の政治資金団体「国民政治協会」の評議員も、徳島県でただひとり務めていたほどだ。
 政治活動が忙しくなったためか、今年になって社長業を弟の洋介氏(58)に譲り、会長職に退いたばかり。亡くなった長男と二男も同じ会社に勤務していた。
「徳島県は、自民党の中でも津島派(旧経世会)の牙城です。平山会長は公共工事削減政策を推し進める小泉・安倍路線に反発する急先鋒でもあり、安倍首相が退陣した際は、『安倍さんは大衆の意識が理解できていない』と凄みを利かせる場面もあった。地元徳島3区選出の後藤田正純代議士と近く、改革路線の修正を働きかけていたようです」(政界関係者)
 自民党は7月の参院選で徳島の議席を失っている。地元土木・建設業界の顔役である平山氏の死去で解散・総選挙も黄信号が点滅している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000010-gen-ent