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2007年11月15日(木) 10時00分

守屋汚職拡大 やっぱり防衛省ぐるみ事件になってきた日刊ゲンダイ

 今週ヤマ場を迎えるという防衛省・守屋武昌前次官の強制捜査。だが、守屋ひとりでは終わらなくなってきた。防衛省内のウミが噴出しているのだ。

「守屋氏に部下から1100万円」——11日付読売新聞が1面トップでこう報じた。守屋が5年前、防衛省の現職課長(47)から1100万円の預金小切手を受け取っていたというのだ。この課長の証言は「投資損失の穴埋め」「借金の返済」と二転三転だが、なぜ、こんな巨額のカネを守屋は部下に渡したのか。
「5年前といえば、守屋が次官になる前の防衛局長時代。本当に部下を使って不動産投資をしていたのか、原資はどうしたのか。それとも部下に預けていた隠し資産なのか、隠しワイロなのか。当然、15日の参院の守屋喚問では、この1100万円も大問題になります。守屋がトボケれば、この課長を参考人で呼ぶことになります」(政界関係者)
 現職課長だけに逃げ隠れできないが、実は守屋がかわいがっていた側近は札付きばかりだという。ある司法関係者が言う。
「守屋の側近中の側近は4人いますが、接待漬けだったり、セクハラ大魔王だったり、ロクなのがいません。守屋がこうなったことで、防衛省内部からは“チクリ”が検察に寄せられているようですし、実際、ある部下が検察にマークされていて、業者との癒着で先に逮捕されるという話も流れている。部下を締め上げて守屋の容疑を固める戦法です。今回の1100万円がそのとっかかりなら、防衛省疑惑は現職に一気に拡大となります」
 防衛省といえば、海自の給油をめぐり、80万ガロンを20万ガロンに偽った当時の防衛課長の問題もある。先日の参考人招致の秘密会では答弁が支離滅裂で、再招致が必要になっている。
 福田政権は、防衛汚職を守屋個人の“たかり”問題にして幕引きしたいようだが、事態は課長クラスを巻き込んだ底なしの構造汚職の様相だ。その解明なしに、テロ特措法の強行可決どころではなくなってきた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000009-gen-ent