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2007年11月14日(水) 10時05分

イタリアからのレポート【治安悪化】ツカサネット新聞

先週、同じ職場の女性の自転車が盗まれた。彼女は、人通りがかなり多い自転車置き場に、バイク用の極太のチェーンで自転車でとめておいたにも関わらず、チェーンが切られて持ち去られたしまったそう。ここイタリアでは、中古の自転車でもそれを盗めば売れるので、自転車泥棒が後を絶たない。自転車をとめる時は、必ずチェーンをつける、しかもタイヤ部分にくくってはダメ、タイヤのゴム部分を切られて持ち去られてしまうから。ボディの鉄部分にしっかりとチェーンを、駐輪場の鉄棒にくくりつけておかないとダメだ。それでも今回のように、極太のチェーンもあっさり切られてしまうこともある。こういうのは、大体が組織的に盗んでいるそうだ。

また、今日は、別の同僚が、マンションの階下に泥棒に入られて、彼女の部屋にも侵入しようとした後が、外壁に足跡が残っていたそうな。彼女は何気にうちの近所。こういう泥棒も、組織的なものが多いらしく、いくら戸締りをしっかりしても、相手はさらに上手をいくので、なかなか防げないそう。しかも、運悪く泥棒と鉢合わせをしてしまったら、スプレーをかけられたり、こちらにも危害を加えられてしまったり…。

いくら昔から”泥棒の国、イタリア”と冗談で言われていたとしても、こんなことが日常的に起こってしまう程に、状況は深刻化している。

EUに新しい国々が加わって以来、外国人移民がこれまで以上にどんどん押し寄せてくるだろうし、ただでさえ治安が悪いこのイタリア。マフィア映画どころの騒ぎじゃない。現実生活にこんなにも犯罪が入り込んできている。この先、この国は本当にどこへ向かっていくのだろうか。在伊4年が経ったが、この国に対して愛着がわけばわくほど、この国の行く末がどんどん心配になっていくのは、なんともせつないことだ。

(記者:小林深藤)

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