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2007年11月14日(水) 17時05分

【激戦を追う 大阪市長選】平松邦夫候補 知名度バックに組織戦産経新聞

 街頭に立つと「頑張ってや」と声がかかる。毎日放送の夕方のニュース「MBSナウ」のキャスターを退いて10年以上。テレビ画面からは遠ざかっていたが、平松邦夫氏(59)=民主、国民新推薦=の顔を覚えている有権者は少なくない。

 9日午後、支援者とともに商店街を一軒一軒まわりながら、店主や道行く客らと握手。すると、「思いだしたわ、平松さんや」「うれしいなあ。ありがとうございます」。こんなやりとりが繰り返された。

 主要4候補で出馬表明はもっとも遅かったが、推薦を決めた民主党や労組を中心にしたバックアップで組織的な選挙戦を展開している。それに抜群の知名度が加わり、前半戦に中央政界で吹き荒れた小沢一郎・民主党代表の辞任騒動の影響を感じさせない。

 前半戦は、街頭演説を100カ所以上、商店街で25回、練り歩いた。これだけの運動を展開できるのも、組織の足腰の強さを示している。

 地下鉄民営化が争点となっているため、市バスや地下鉄に乗車して乗客と対話し、道行く人にアンケートもした。市政への不満を訴える有権者と話し込むこともしばしばだ。

 知名度を最大限に生かすため、顔を見てもらい、声を聞いてもらうことも戦略の一つ。ほぼ毎日行われる演説会では「私は素人」と繰り返す。長年にわたって続く助役出身者が市長になる市の“慣習”を批判し、「行政のプロではなく、素人やないとできないことがある」と訴える。

 「長い間ニュースをやってきたので民間の目線では自信がある。とことん情報公開したい」と民間出身を強調した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071114-00000111-san-soci