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2007年11月14日(水) 02時31分

<政府税調>「配偶者控除を見直し」改正答申の大枠決まる毎日新聞

 政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長)は13日、08年度の税制改正答申の大枠を決めた。女性の就労意欲を妨げる一因になっているとして、所得税にかかる配偶者控除を、廃止を含め見直すよう提言する。共働き世帯が増加していることから、政府税調は、制度の役目が終わったと判断した。

 しかし、低所得者層には負担増となることから、与党内に慎重論が根強く、実現性は低い。配偶者控除の廃止は、05年6月の政府税調報告書にも盛り込まれたが、「サラリーマン増税」と批判されて06年度答申で提言を見送った経緯がある。

 配偶者控除は年収103万円以下の配偶者がいる所得税納税者に対し、課税所得額を軽減するもので、年間38万円が控除される。控除を受けようと、パートの主婦らが年収を103万円以下に抑制する傾向があり、答申は「女性の社会進出を妨げる」と見直しを求める。

 政府税調は中小企業で経営者の世代交代がスムーズに進むよう、事業継承にかかる相続税の軽減措置拡充なども求める。経営者が実子などに事業を相続する場合、事業用の土地は評価額から80%減額した額に課税されるが、非上場の株式は評価額の10%減額にとどまっている。政府税調は「後継者不足などの課題を解消するために支援が必要」として、非上場の株式の評価減額幅の拡大を求める。また企業が研究開発事業を行った場合に法人税を軽減する制度などについて、期限を延長するよう答申に盛り込む。

 政府税調はすでに、将来的な社会保障財源として消費税率の引き上げが必要と明記することや、08年度で期限切れを迎える証券優遇税制は廃止を求める方針を固めている。【森山知実】

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