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2007年11月14日(水) 10時13分

院内暴力通報に逆恨み 慈恵医大病院脅迫の男逮捕産経新聞

 東京慈恵会医科大付属病院(東京都港区)で「院内暴力」をふるって9月に逮捕された男が、今月4日に再び病院を訪れ、職員をナイフで脅すなどして、警視庁愛宕署に逮捕されていたことが13日、分かった。病院は「過去に警察に通報したことを逆恨みした“お礼参り”で、許すことができない」と憤っている。「院内暴力」への対処が各地の病院で問題になっているが、毅然(きぜん)とした態度への“お礼参り”が公になった例はない。

 愛宕署や慈恵医大病院によると、院内暴力をふるったのは東京都町田市の無職の男(55)。今月4日午前、休日にもかかわらず病院を訪れ、警備員や救急病棟職員に刃渡り約4センチのナイフを突きつけるなどして、「おれを甘く見るな」「ぶっ殺すぞ」などと脅した疑い。通報を受けて駆けつけた愛宕署員が、暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕した。同署が動機などを詳しく調べている。

 男は今年9月22日正午ごろにも院内で、女性看護師を怒鳴るなどの騒ぎを起こしたうえ、駆けつけた警備員の顔を3回殴り、愛宕署に暴行容疑で逮捕されていた。10月上旬に罰金刑が確定し、釈放されたばかりだった。

 慈恵医大病院によると男は10年以上前から、院内で大声を出して自分の診察を早くするよう暴言をはいたり、酔ってソファで寝るなどの行為を繰り返していた。病院が診療拒否ができないのを知って、救急車を呼び自分で慈恵医大病院を指定して搬送されてきたことも複数回あった。

 トラブルを深刻にとらえた病院側は、10月上旬に男が釈放された直後には、報復を警戒して警備を手厚くするなどの対策を講じた。

 慈恵医大病院の横内昭光渉外室長は「今回のようなお礼参りによる暴力は絶対に許せない。医療スタッフが悪意による暴力を受けることがあってはならず、毅然とした対応をしたい」と話している。

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