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2007年11月14日(水) 11時46分

通勤区間の出張に旅費 出先勤務の青森県職員延べ550人河北新報

 青森県の地方出先機関に勤務する青森市在住の県職員が、勤務先から青森市内に自家用車で出張してそのまま帰宅する際、通勤手当と別に相当額の旅費を受け取っていたことが13日、分かった。過去5年間を見ただけで、少なくとも総額は1500万円近くに上り、単年度で約12万円受給していた職員もいた。オンブズマン関係者は「完全な二重取りで、税金の無駄遣い」と批判。弘前市民オンブズパーソンは独自に調査に乗り出した。

 河北新報社が県情報公開条例に基づいて入手した旅費請求書によると、2002—06年度に支給された同様の旅費は計約1480万円。延べ約550人が、地方の勤務先から車で青森市の本庁などを訪れた後に帰宅したり、本庁などに顔を出してから出勤したりした場合、1回に付き数千円をもらっていた。

 こうした県職員の旅費支給は条例に基づき、勤務先と青森市との距離に1キロ当たり、37円を掛けて算出する仕組み。しかし、各職員には県職員給与条例も同時に適用されており、旅費支給に関係なく月ごとに2000—3万5000円の通勤手当も出ている。

 出先機関ごとの内訳は、弘前市の中南地域県民局管内が約470万円、十和田市の上北地域県民局管内が約505万円、五所川原市の西北地域県民局管内が約480万円、八戸市の三八地域県民局管内が約12万円、むつ市の下北地域県民局管内が約13万円。

 単年度の最多支給額は約12万円で、上北地域県民局の男性主事が計36回の出張で受給した。職員一人当たりの平均支給額は、約2万7000円だった。

 弘前市民オンブズパーソンの高松利昌事務局長は「民間ならばあり得ない。市民感情を逆なでする支給だ」と指摘。既に中南地域県民局の06年度分について情報公開を請求しており、開示された後で文書を分析し、結果を公表する。

 旅費条例を担当する県人事課は、07年度から算定式を一キロ当たり25円に改めたことなどを挙げた上で、「二重取りだとまでは思わないが、県職員の論理が通らないこともあると認識している。課内でも議論を続けている」と釈明している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071114-00000012-khk-l02