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2007年11月14日(水) 02時29分

大阪府知事1回100万円で懇談会、受付係は職員が公務で産経新聞

 大阪府の太田房江知事が中小企業経営者らとの懇談会の会合で、講師謝礼として約800万円を受け取ったいた問題で、府職員が複数回にわたって、年次有給休暇を取らずに会場で公務として受け付け業務などを行っていたことが13日、分かった。これまで府側は年休をとっていたと説明してきたが、11回のうち5回はとっていなかった。任意団体の会合への協力が公務でないのは明らかで、府のモラルが問われそうだ。
 山田信治知事秘書(特別職)が職員に依頼していたといい、山田秘書は問題が発覚した今月7日、「懇談会の会長から頼まれ、職員に手伝ってもらうよう依頼した。職員の判断で年休をとっていた」と説明していた。
 府によると、問題の懇談会は「関西企業経営懇談会」。建設工事や測量など中小企業の経営者ら約30人で構成する任意団体で、平成15年に設立。1年に2回知事を囲む会合を開催する任意団体で、約2時間の会合で知事は約30分間講演、各テーブルを回り、1回あたり50〜100万円を受け取っていた。同懇談会は府の入札参加資格業者が10社入っており、高額な謝礼や業者との接触に「不適切」との批判が起きていた。府の調査によると、15年から19年までの11回のうち、秘書室や知事公室の府職員2〜3人が受け付け業務や資料配布を行っており、うち5回で年休をとらずに公務として手伝い、上司も了承していた。年休を取得していたのは4回で、残りの2回は勤務実態を確認できなかったとしている。職員は会場に入っていなかったという。
 年休をとらずに公務として職員が受け付けや資料配布をしていたことに、山田知事秘書は「年休をとっていたと思っていたが、調べてみると違っていた。知事は府政の課題を講演し、中小企業への情報発信の場であり、私も職員も公務と判断した」と話している。

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