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2007年11月14日(水) 11時08分

会計検査庁を創設せよツカサネット新聞

11月9日、会計検査院が今年の報告書を提出した。これだけ官僚の不祥事が相次ぎ、国民の非難が集まるなか、公務員は大いに反省し、無駄遣いは減っているかというとこれしきの非難では官僚諸君は全く堪えないらしい。

天下り官僚でつくる独立行政法人が出した欠損金に5兆円を越える税金が投入されると言う。(10日日経新聞)500億でも5000億円でもなく、5兆円である。あきれて開いた口がふさがらないとはこのことだろう。「その穴埋め金が足らなくなってきたからそろそろ消費税を17パーセントにしようか」と官僚が考えたとしたら大間違いである。

だがしかし、もしも会計検査院がなければ、こうした事実も全く明らかにならないままだった。(これでも氷山の一角だろうが)このことからわかることが一つある。それは、「官僚の習性は、官僚が一番よく知っている」ということだ。

舛添厚労大臣がいくら眉間にしわを寄せて、「調査させる」と言っても数十億円程度のミスを発見してさも大発見のように記者会見している。それで、地方を無能呼ばわりして、末端役人を告発させたりしている。こんなことで国民が溜飲を下げていては、巨悪は、ますます枕が高いだろう。

「省あって国なし、局あって省なし」が官僚の習性だが日本の官僚には、もう一つの習性がある。それは「予算と権限を与えられれば徹夜も厭わず一生懸命働く」ということだ。だから、会計検査院は、悪徳官僚にとって喜ばしい組織ではないが検査院の官僚もまた、自らの組織を拡大するため、毎年、政治家には決して発見できない不正や無駄遣いを指摘している。

そういう意味では検査院は、いま国民の方を向いている(正確に言えば組織の方向性と国民の利害が一致する)数少ない官僚機構といえるだろう。だが惜しいかな従来から言われているのは、会計検査院の予算と人員が少なく、調査が行き届かないという点だ。ならば政治の力で、例外的に会計検査院は、大いに予算と人と権限を与えてやり、いっそ会計検査庁にしてしまってはどうか。国税庁のように省庁内部の査察権限を与えて、告発、逮捕までできるようにしてやってもいいではないか。

政治に期待したいのはそういう省庁のデザイン感覚である。民主党が参院の与党になり、「これからは国政調査権を大いに使わせてもらう」などと息巻いているが、はっきりいって官僚たちは怖くもなんともないだろう。証人喚問をしてもあの程度の質問しかできない政治家たちより、言葉は悪いが「毒は毒をもって制す」位の意識で、検査院の焼け太りをこの際、国民で歓迎したい。


(記者:草莽メディア)

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