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2007年11月13日(火) 02時32分

<守屋前次官>CXエンジン発注、製造元との直接契約に反対毎日新聞

 防衛専門商社「山田洋行」と、元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=が設立した「日本ミライズ」が米メーカーの代理店契約を巡って争った次期輸送機(CX)エンジン納入で、今年6〜7月に省内で「米国の製造元と直接契約すべきだ」という意見が強まった際、守屋武昌前事務次官(63)が強く反対していたことが分かった。当時は、ミライズが代理店になることが決まっており、東京地検特捜部は、元専務側への便宜供与に当たるかどうかについて、検討している模様だ。

 関係者によると、CXエンジンの製造元の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は今年4月、防衛省に対し「日本代理店を7月29日以降、山田洋行から日本ミライズに変更する」と通知した。しかし、ミライズは昨年9月に宮崎元専務が設立したばかりの新興商社で納入実績がない上、納入契約が履行されなかった場合の違約金を支払う財政基盤がないとして、ミライズとの契約を危ぶむ声が省内で上がったという。

 今年6月、当時の久間章生防衛相もこうした意見を受けて、周囲に「直接契約の検討を始めてはどうか」と発言。省内では、代理店を通さない製造元との直接契約を検討する議論が進んだが、守屋氏一人がこの案に強く反対したという。

 守屋氏の反対で結局、製造元との直接契約の検討は中断。6基目のCXエンジンの入札は、日本ミライズがGEの代理店になった翌日の7月30日に公告された。しかし、納入実績のない日本ミライズには入札参加資格がなく、計2回の入札は不調に終わった。同省はミライズと随意契約を結ぼうとしたが、同社と山田洋行との間で、代理店変更などを巡る民事訴訟などの争いが表面化したため、契約は保留されたままになっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071113-00000005-mai-soci