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2007年11月13日(火) 10時00分

「NOVA」の“救世主”にハゲタカの素顔日刊ゲンダイ

 経営破綻した「NOVA」から一部事業譲渡を受けた「ジー・コミュニケーション」の稲吉正樹社長(38)が9日、NOVAの管理職を対象にした説明会に出席。社員や講師の原則雇用や一時金支払いの検討を約束した。
 同席した保全管理人の弁護士は「従業員や受講生を守ろうとする熱意に動かされた」と感謝していたが、稲吉社長については、一部で“グレー”な噂もある。
「96年に学習塾からスタートしたのに、3年ほど前から猛烈な勢いで企業買収に乗り出していて、死臭に群がるハゲタカのようにいわれている。回転すし『平禄』、ちゃんこ料理『江戸沢』、『焼肉屋さかい』など、NOVAのような経営不振や破綻企業を狙うのが稲吉社長の手法で、『何を本業にしたいのか』とマユをひそめる市場関係者も多いのです」(証券関係者)
 2年前は、仕手集団に食い物にされた揚げ句に経営破綻した「ゼクー」(居酒屋チェーン)を買い取ったことでも話題になった。
「ゼクーは04年、経営陣に内紛が勃発。これに乗じて闇の金融ブローカーが同社に群がり、ペーパー法人を迂回させた架空増資などの疑いが出た。大阪府警が捜査に動き、マスコミを大いに騒がせました。マネーゲームの舞台には、詐欺商法で実刑判決を受けた人物や“仕手”の大物の名前も出た。稲吉社長は、真っ当な会社なら誰も手を出さないような破綻会社に目を付け、約7億8000万円という安さで経営譲渡を受けたのです」(金融関係者)
 昨年10月には東証2部上場「パオ」の株式取得をめぐり、インサイダー取引で金融庁から課徴金を命じられたこともあった。経済ジャーナリストの有森隆氏がこう言う。
「これまで稲吉氏は、破綻し、捜査当局ににらまれているような企業を安く買い叩いてきた。自社の知名度が低いためか、腐っても鯛で名の知れた上場企業を狙う。しかし、何のための拡大路線なのかわからない。ゲーム感覚で会社買収をしているようにしか見えません」
 NOVAの前途はまだハッキリしない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071113-00000005-gen-ent