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2007年11月13日(火) 12時17分

選手の評価はおカネなの?〜プロ野球ストーブリーグよりツカサネット新聞

ペナントレースから日本シリーズへと続き、今年で3回目となったアジアシリーズが終わると、日本プロ野球の今シーズンが幕を閉じる。同時に、いわゆる“ストーブリーグ”が熱を帯びてきて、ドラフトの目玉選手の行方やトレードなどの記事がメディアを賑わすようになる。最近では、細かな規定はあるが、荒っぽく言えば選手が自由に球団を選べる権利(=FA権)の行使によって、スター選手の出入りも活発になっている。

今年も西武・和田や広島・新井、阪神・下柳らの主力が話題に上り、12日には中日の福留も名乗りをあげた。でも、彼らの記者会見を見聞きするうちに、おや? と首をかしげてしまった。

誰が言ったかつまびらかではないのだが、「選手の評価はお金です」とのコメントが一人ではなく、複数の選手から聞かれた。確かに、年俸の多少は選手をランク付けする場合にとても分かりやすい指標であることに間違いはない。いわゆる、“いい選手”は多額の年俸をもらっている。球団からしても、年俸の高い選手は成績も残しているし、人気も高く、お客さんを呼べる。球団に対しての貢献度が大きいから高額で契約する、ということになる。もちろんプロだから、お金にこだわるのは当然だし、先の保証もないのだから、売れる時に少しでも高く、と考えるのは極めて自然だ。でも、口にするように評価は本当に金額の大小だけなのだろうか?

例えば、昨年も話題になった広島・黒田の場合、彼はメジャーもが垂涎の存在だったにもかかわらず、「ファンを裏切れない」と、カープ残留を決めた。彼の野球に賭ける純粋な思いやファンに対する感謝の気持ち、“お金より大切なものがある”との姿勢に潔さを感じて拍手を送ったのはカープファンだけではなかった。

野球好きがストーブを囲みながら、今シーズンを振り返ったり、ルーキーやトレード入団の新戦力に期待しながら、来シーズンの戦い振りに思いをはせるストーブリーグに、あまりにもカネ、カネ、カネと騒ぐから思い出したことがある。

日本ハムのエース・ダルビッシュ有はメジャー挑戦の可能性を尋ねられて、「子供の頃、国籍が違うことで辛い思いをした。だからこそ、日本にこだわってきた。日本のプロ野球に憧れた。そのなかに入れたのだから、日本のプロ野球で自分を貫き通したい」とてらいなく語った。ファンはそんな一途な言葉に、真っ直ぐな気持ちに熱くなって声援を送ったりもする。

「評価はお金」と言い切るプロ野球選手へ。お金でファンの気持ちを掴むことはできないし、ファンは年俸の額で選手を評価してはいないのにな〜。


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(記者:yutorodog)

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