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2007年11月13日(火) 02時32分

<リフォーム詐欺>羽毛布団、中古の原価は6880円毎日新聞

 羽毛布団のリフォームと偽り、別の中古羽毛布団を販売したとして詐欺容疑で逮捕された埼玉県鳩ケ谷市の寝具販売会社「ベストベル」元社長、丸山一慶容疑者(26)らが、原価7000円程の中古布団を数十万円で売っていたことが県警生活環境2課などの調べで分かった。製造業者らでつくる「日本羽毛製品協同組合」(東京都中央区)によると、羽毛布団のリフォームは通常、1枚3万〜5万円という。

 調べでは、ベ社は東京都の繊維加工会社を通して、被害者から集めた羽毛布団を福島県内の布団製造会社に発送。製造会社はベ社の加工指示書を基に、別の羽毛布団で再生中古布団を作っていた。製造会社は県警の調べに「指示に従って作っただけ」と話しているという。

 再生中古布団の原価は1枚6880円で、加工会社の手数料も千数百円程度。べ社が被害者からだまし取った数十万円の大半が利益になったとみられる。同容疑で逮捕された元同社員、永井義夫容疑者(54)は調べに対し「4割が自分の取り分で、6割を会社に入れた」などと供述しているという。

 県警が押収した資料からは、ベ社が関東近郊の1都6県で訪問販売をしていたことも判明した。今年5月に丸山容疑者に勧誘され、羽毛布団を約30万円でリフォームした都内の無職の男性(77)は「最初は断ったが『私どもが責任を持って修理させていただきます』と押し切られた。専門的な話に納得してしまったが、その後は一切連絡がない」と憤る。国民生活センター(東京都港区)によると、布団類の修理に関する相談は06年が752件、今年は10月20日現在、190件で減少傾向という。【浅野翔太郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071113-00000004-mai-soci